飼育されているさまざまな動物の快適を考える「動物福祉」

飼育されているさまざまな動物の快適を考える「動物福祉」

飼育されている動物たちの暮らしを考える

私たち人間の生活にはペット以外にも多くの動物が関わっています。例えば、肉や乳、卵を生産する畜産動物、研究を支える実験動物、動物園や水族館で飼われている展示動物などです。そのような、人間が飼育している動物にとって少しでも快適な暮らしの提供を考えることが「動物福祉」です。畜産は産業であり、私たちはお肉をいただいています。動物の命をいただくとき、恐怖や痛みを感じさせないような方法をとる配慮が必要です。動物が怖がって暴れると、人間もけがをするリスクがあるだけでなく、動物が恐怖や痛みを感じたときの生理変化が肉質にも影響します。動物にとってより良い生活をめざし、そしてさまざまな処置において、恐怖や苦痛をなるべく少なくする方法を模索するのが「動物福祉」なのです。

動物園・水族館の動物たちの本来の姿とは

かつて、動物園や水族館では、おりや獣舎の中にいる動物の姿かたちを見せる「形態展示」が主流でした。しかし近年、動物本来の生育環境を再現する「生態展示」や、動物がどのように行動するのかを見せる「行動展示」が増えています。このように変化してきた理由としては、動物本来の姿や動きを見て楽しく学んでもらうという施設の目的もあるのですが、自然に近い環境でその動物らしく暮らせることは動物にとってもメリットになります。

動物の状態を科学的に検証

動物福祉では、感情論ではなく、科学的な検証が重要です。動物たちの状態を科学的に知る方法としては、動物の行動を見たり、ホルモンといった生理的変化をとらえる調査が主流です。例えば、人のことが苦手な動物は人と距離を取ろうとしますが、人のことを気にしない、あるいは人のことが好きな動物は近寄ってきます。このように、動物の変化をデータとして記録し、客観的に評価します。
普段の動物たちの生活をよく知っているのは、飼育に関わっている人たちです。飼育に関わる人たちの「なんだか少し様子が違う」という感覚も、研究の大きなヒントとなっています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 動物科学科 准教授 戸澤 あきつ 先生

日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 動物科学科 准教授 戸澤 あきつ 先生

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動物福祉学、応用動物行動学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校生のあなたには、外に出ていろいろな経験をしてほしいと思っています。動物のことを知りたいなら、インターネットで情報や動画を見るだけでなく、実際に動物園や水族館などに行ってみてください。こんな動きをするんだ! とか、するどい目をしているな、など思ってもみなかった新しい発見があるでしょう。においや鳴き声といった、五感で感じるリアルな体験の積み重ねがあなたの視野を広げ、人生を豊かなものにしてくれます。

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本学は、明治14(1881)年に東京都文京区にある護国寺の一隅で開学して以来、生命科学系の最高学府として140年の歴史があります。
獣医学部(獣医学科・獣医保健看護学科)と応用生命科学部(動物科学科・食品科学科)の2学部4学科を置き、高度獣医療への対応、生物多様性の保全、食資源となる産業動物の生産、産業動物飼育環境の整備、食品の安全性の確保などの社会的ニーズに応えていける「生命・環境・食」のスペシャリストを育成しています。