そば屋が切符を販売? 駅の無人化を防ぐ「地域駅」という選択肢

無人駅の増加という地域課題
地域の防災や災害後の復旧について考える学問を「地域レジリエンス」と呼びます。しかし昨今、地域が直面している危機は自然災害に留まりません。人口減少や少子高齢化、地域経済の衰退も危機としてとらえ、考えていく必要があります。
課題の一つとして注目されているのが鉄道駅です。利用者の減少に加え、人件費や燃料費の高騰といった経済的事情もあり、ローカル線では駅の無人化が進んでいます。1日の乗降客数が2桁程度という、いかにも利用者が少ない駅だけではなく、中には3000~4000人が利用しているにもかかわらず、鉄道会社が駅の無人化の判断を下した駅もあるのです。
そば屋や美容室が駅を管理
無人駅には利用者サービスの低下、障害者の利用支援がない、事故対応の遅延といった問題があります。仮に遠隔管理システムを導入すれば、維持費が重い負担となります。こうした課題を解決するのが、駅係員に代わり、地域のお店や市民団体などが駅舎の管理や切符の販売を行う簡易委託駅という方法です。鉄道会社ではなく地域の人々が駅舎の管理や切符の販売を行っていることから、「地域駅」とも呼ばれています。
全国にたくさんの事例があり、そば屋や美容室が管理している駅もあります。社会福祉法人が管理者として名乗り出た例もあれば、自治体職員が駅員を雇うケース、観光協会や市民団体、タクシー事業者に委託するケースなど、多様な先行事例があるのです。
「地域駅」を広め、駅の無人化を防止
鉄道会社が駅係員の配置をやめた際、駅のある自治体が地域駅の仕組みを導入すれば、即無人駅とならずに済むでしょう。しかし、簡易委託駅の制度は古くからあるものの、広く知られているわけではありません。コロナ禍以降、駅の無人化が一層進んでいます。地域駅という選択肢を知ることで駅の無人化を阻止できれば、住民や利用客の利便性と安全を守れるでしょう。そのためにも、簡易委託駅の制度や地域駅の事例を知ってもらう必要があります。
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