ひまわりの種に現れる「らせん」 自然に潜む美しい数学

種の並びが数列に
花の真ん中にびっしり詰まったひまわりの種を観察すると、種が右回りと左回りの両方の「らせん」を描いて並んでいることがわかります。現れるらせんの本数は種の数によって異なりますが、右回りも左回りも常に「フィボナッチ数列」という数列の数になります。フィボナッチ数列とは、1、1、2、3、5、8、13……というように、前の2つの数の和が次の数になる数列です。なぜひまわりの種の並び方はそうなるのでしょうか。
進化でたどり着いた「黄金角」
ひまわりの種を最大限詰めて並べるには、花の中心から種を並べていくときの回転角が重要になります。例えば120度ごとに並べたのでは3方向にしか種を並べられません。できるだけ重なり合わないように種を並べるには、分数にできない無理数の角度で並べるのがよく、中でも最も有理数に近似しにくい角度が「黄金角」と呼ばれる約137.5度です。ひまわりはこの黄金角の回転角で中心から種がぎっしり並んでいるのです。ひまわりの種だけでなく、植物の葉もできるだけ重なり合わないよう、黄金角でらせん状に茎に生えます。
さて、古くから最も美しいとされる比率は1:1.618の「黄金比」で、黄金角は360度を黄金比で分けた小さい方の角度です。そして、フィボナッチ数列の前後の数の比は、数列が進むにつれて黄金比へと近づいていきます。このような数学的な関係性によって、ひまわりの種のらせんの本数にフィボナッチ数列が現れるのです。
らせんの性質を可視化
ひまわりの種の並び方は「放物らせん格子」という点の並び方の一種です。放物らせん格子(x,y)は、(√(k)cos2πkθ, √(k) sin2πkθ)(k=0,1,2……)、と高校で習う数学で表すことができます。
ひまわりの種のらせんを目で追っていくと、らせんが消えていくところがあります。では、そのらせんの切れ目はどうやって決まるのか。「ボロノイ分割」や「ドロネー分割」といった手法で配置の性質を可視化し、数学的に理解する研究が進められています。
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龍谷大学 先端理工学部 数理・情報科学課程 准教授 山岸 義和 先生
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