クリエイティブツーリズム 旅人と地域住民による新しい価値の創造

創造的な共創の旅
クリエイティブツーリズムとは、建築、アート、伝統工芸、生活文化などの文化資源に着目し、旅行者が現地の人々と創造的な共創をするなど、得難い体験ができる新しい観光のスタイルです。
人を集めることを重視する従来のマスツーリズムは「オーバーツーリズム」を招き、地域資源の劣化や住民の反発などの弊害が起こることが課題となっています。クリエイティブツーリズムは、比較的少人数のプランを無理のない形で実施します。その土地の良さを旅行者と現地の住民が共有することで、現地の人々のシビックプライド(自身が地域を支えているという自負)を育み、地域の持続的な発展につなげていくという試みです。
都市型、農村型
石川県金沢市には、都市型のクリエイティブツーリズムがあります。金沢市は、加賀友禅や金沢金箔(きんぱく)、九谷焼などの伝統工芸が盛んであり、現代アートの企画展示で高い評価を受ける金沢21世紀美術館など、多彩な文化資源を有しています。こうした魅力を専門家の案内で体験しながら楽しめる小規模のクリエイティブツーリズムが、地元のNPOによって実施されています。
農村型では、兵庫県丹波篠山市で行われている「里山暮らしツアー」があります。少人数制のプランで、農作業やまき割りの手伝い、陶芸、料理の体験など、地元の人々との「共創」を通じて、農村のありのままの生活文化を学ぶことができます。
関係人口を増やす
クリエイティブツーリズムを推進する際には、小規模で無理のない形でプランを継続していくためのキャッシュフロー(お金の流れ)の安定化が必要です。また、人材の確保も重要な課題です。地域の文化資源を紹介する地元の協力者だけでなく、彼らと旅行者をつなぐ役割を果たすプロデューサーやプランナーなどの人材も不可欠です。少子高齢化や地方の過疎化が進んでいる今、クリエイティブツーリズムを通じて、それぞれの土地で、旅行者や移住者を含めた関係人口を増やしていくことが、社会を支える礎になります。
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