「推し活」がリハビリの原動力に? 生きる力を引き出す作業療法

作業療法士ってどんな仕事?
作業療法士は、病気や障害のある人のリハビリを支え、食事や着替えといった日常生活から個人の趣味まで、「その人らしい生活」を送れるよう支援する専門職です。医療・福祉の現場で、精神や身体の障害、小児から高齢期まで幅広い領域で活躍しており、その役割はますます重要になっています。
すべての領域においてコミュニケーションは重要な役割を果たします。では、話すのが得意でないと向いていないのかというと、実はそうではありません。大切なのは、心に寄り添い、相手を理解しようとする姿勢が何より大切です。
推しがモチベーションに
学生の性格と実習成績を分析した研究データによると、外交的な性格よりも、勤勉さや「報告・連絡・相談」が確実に行える人の方が成果に結びつきやすいことがわかっています。コミュニケーションは訓練で伸ばせる力であり、実習を通して「使える引き出し」を増やすことで対応できます。
さらに、コミュニケーションを助ける魔法があります。それは「推し活」です。好きなものについてなら積極的に話せますし、人とのつながりも生まれ、調べたり、行動したりする原動力にもなります。これは「内発的動機づけ」と呼ばれ、患者のリハビリでも、「推し」を原動力にすれば前向きに取り組んでもらえるなど応用できます。
「好きなこと」を引き出す
障害のある人が「生きたい自分」を取り戻すには、「好き」が大きな力となります。だからこそ、自分の好きなことに夢中になれる作業療法士は、患者の好きなことに向かう気持ちを引き出し、背中をそっと押す存在になれるのです。自分の好きが、誰かの好きを引き出して、その人の人生を創造する手助けになる、そうした仕事です。
「推し活をしている学生は実習での成長が早いのではないか」という仮説もあり、検証する価値がある研究テーマです。作業療法士は、人の「生きる力」の根っこを支える仕事であり、やりたいと思った人は、すでにその素質を持っています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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先生情報 / 大学情報

東北福祉大学 健康科学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 准教授 稲垣 成昭 先生
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