地域と連携した探究学習 「課題を見つける力」を育む

「教科書」がない探究学習
2020年以降、小中学校や高等学校で本格実施されるようになった探究学習は、生徒の関心から課題を設定して、解決に向けた行動を起こすといった主体的な学びを目的としています。知識を一方的に教える学習ではないため、教科書はなく、生徒一人一人の問題意識をどう引き出し、学習を進めていくかというところに難しさがあります。高校での「総合的な探究の時間」では、インターネットなどを活用した調べ学習で終わることが多いとされています。学校現場では「何のためにするのか」が意識されず、生徒のモチベーションも上がらないといった課題を抱えています。
住民の課題に触れる
こうした中で、地域と連携した探究学習を行い、生徒が地域の人たちと関わることで、どのような資質・能力が身につくのか、教育効果を明らかにする実証的研究が行われています。
地域での学習は、例えば生徒たちが地域の商店街でさまざまな人の話を聞いて集客などの課題に気づく、地域の団体や企業へ取材を行って課題に対する提案を記事に書く、といった内容です。アンケートなどから生徒たちの学びを分析すると、知って理解することから始まり、徐々に地域への愛着といった感情が湧き、課題の発見、解決など社会参加の意識が段階的に育まれることがわかってきました。また地域との関わりを通じて社会を知ることは、キャリア教育にもつながると考えられます。
挫折から課題意識が生まれる
地元の特産物の工場見学をきっかけに、生徒たちが特産物をPRしようと、企業と連携して新商品開発を行った事例もあります。活動の中では、生徒たちのさまざまな提案に対して、企業側から原材料確保などの問題について繰り返し「ダメ出し」をされました。こうしたうまくいかないという挫折経験も重要で、そこから「どうすればいいのか」という課題意識につながっていきます。そのためには、教師が失敗を回避するようなお膳立てをしないなど、指導者側の意識を変えていくことも必要です。
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京都文教大学 こども教育学部 こども教育学科 教授 橋本 祥夫 先生
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