人助けをするのはどんなとき? 「援助行動」の動機を探る

人助けをするのはどんなとき? 「援助行動」の動機を探る

人助けを実験で検証

困っている人を見たとき、助けるかどうか迷った経験はありませんか? 人はどのような気持ちのときに他者を援助したくなるのでしょうか。社会心理学研究の一環でゲーム形式の実験が行われています。
まず、実験の参加者と、実験内容を知らない相手役でペアを組みます。実験の主催者は参加者のみに500円を支給します。参加者は好きな金額を相手役に与え、残りの金額は持ち帰ってよい、というルールです。渡す金額は0円でも全額でも構いません。10~60代までの日本人200人以上を対象に実験をすると、参加者のほとんどは半分の250円を相手役に与え、残り半分を持ち帰ることを選択しました。

他者の目、共感の影響は

ただし実験の状況を変えると、分配額は変わります。自分の行動が他者に知られることはない、と参加者に伝えた場合、相手役に与える金額の平均が減りました。他者の目、つまり評判を気にしているときのほうが、援助の度合いが大きかったのです。
次に相手役が直前にお金を失っている、という設定を参加者に伝えたときとそうでないときを比較します。どちらの場合でも相手役と参加者は直接顔を合わせないため、匿名性は保証されています。評判を気にしなくていい状況であっても、かわいそうな相手に共感した参加者はより援助をするだろう、と予想されていました。しかし分配額は、相手役の情報が何もないときと大きく変わりませんでした。

効果的なアプローチを解明

少なくともこの実験からは、思いやりが援助行動の動機になる、とは言い切れません。ただし参加者と相手役に何らかの共通点があると伝えれば結果が変化する可能性があるため、シチュエーションを変えての実験が続いています。
こうした研究結果は、募金など大勢の援助を集めようとする活動に応用可能です。例えば共感を狙うよりも、評判を気にするような広告を出したほうが援助に結びつくかもしれません。援助の動機が明らかになれば、より効果的なアプローチがわかると期待されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

京都文教大学 総合社会学部 総合社会学科 講師 山本 佳祐 先生

京都文教大学 総合社会学部 総合社会学科 講師 山本 佳祐 先生

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社会心理学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私が初めて自発的に勉強したいと思ったのは、大学2年生のときの社会心理学の授業でした。やりたいことがわからず将来の道に迷っていたものの、社会心理学の研究だったら自分の興味が持続しそうだと思い、大学院に進みました。このように、知識を得るうちに関心が見つかる可能性があるのです。本などを読んで少しの知識を得るだけでも、興味は広がっていくでしょう。社会心理学は日常との結びつきが強い学問です。もし人間関係に関心や悩みを持っているなら、大学で学んでみませんか。

京都文教大学に関心を持ったあなたは

京都文教大学は、総学生数2000人以下の小規模大学。その分いろいろな「オトナ」や「ご縁」ととっても距離が近いことが最大の魅力!「地域とのつながり」と「実践重視の対人援助・社会貢献」を軸に、地元京都を主なフィールドとし、少人数制の手厚い対話型教育で学生一人ひとりの個性を実践的に引き出します。アットホーム。だけど大学らしさも兼ね揃えている京都文教大学で、「出会えてよかった」を一緒に体感しませんか?