死別の悲しみを癒やし、新たな歩みを支える「グリーフケア」

死別の悲しみを癒やし、新たな歩みを支える「グリーフケア」

大切な人を亡くした悲しみに寄り添う

家族やペットなど大切な存在を亡くしたとき、人は深い喪失感に包まれ、これまでと同じように社会生活を送るのが困難になることがあります。例えば、親を亡くした子が友だちの楽しそうな家族の話を聞いて「自分は違う」と孤独を感じ、悲しみを一人で抱え込んでしまって、それが積み重なって不登校につながるケースもあります。
そのような心の痛みを抱えた人に対し、悲しみをどう癒やし、大切な人がいなくなった後をどう生きていくかを考え、支援するのが、臨床心理学の一分野である「グリーフケア」です。

気持ちを表現すること

グリーフケアでは、悲しい話題を避けるのではなく、むしろ積極的に気持ちを表現する機会を提供します。表現方法はさまざまで、話すことはもちろん、言葉で表現するのが難しい場合は、絵を描く「芸術療法」、砂の入った箱にミニチュアを並べる「箱庭療法」、遊ぶことで心と体を活性化させる「プレイセラピー」などが行われます。同じ体験をした人同士で気持ちを分かち合う「グループセラピー」も、孤独を癒やし、社会に出ていく力を取り戻すきっかけになることがあります。
体に自己治癒力があるように、心にも自然に回復しようとする力があります。表現することで感情が整理され、その力が引き出されていくのです。

経験したからこそ見えてくるもの

死別体験は、つらく悲しいものです。一方で、その体験が自分の中に新しい感情や気づきを芽生えさせることがあります。近年、こうした心の変容をマンガから読み解く研究も進められています。人気マンガ『葬送のフリーレン』は、仲間との死別をきっかけに、人間に無関心だった主人公が「人間を知るための旅」に出る物語です。これはまさに、死別を体験した人が喪失を経て、新しい一歩を踏み出すプロセスそのものです。臨床心理士には、この物語が示すように、対象者が深い悲しみの先にある新たな自分との出会いを信じ、前向きなイメージを持てるようサポートする姿勢が求められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

京都文教大学 臨床心理学部 臨床心理学科 准教授 倉西 宏 先生

京都文教大学 臨床心理学部 臨床心理学科 准教授 倉西 宏 先生

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グリーフケア(遺児のケア)、臨床心理学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私の研究室では、学生も参加してグリーフケア(親を亡くした子どもへのケア)を実践しています。実際にケアを必要とする人と関わる経験は、相手を支えると同時に、「誰かの力になれた」という自己効力感を高め、自分自身も支えられているという充足感をもたらしてくれます。特に親を亡くした子どものケアでは、カウンセラー自身が童心に帰って一緒に遊ぶことが重要です。グリーフケアに興味を持ったなら、本学で実践的に学んでみませんか。児童文学を読むなどして、自らの中にある子どもらしさを豊かにしておくことをおすすめします。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

京都文教大学に関心を持ったあなたは

京都文教大学は、総学生数2000人以下の小規模大学。その分いろいろな「オトナ」や「ご縁」ととっても距離が近いことが最大の魅力!「地域とのつながり」と「実践重視の対人援助・社会貢献」を軸に、地元京都を主なフィールドとし、少人数制の手厚い対話型教育で学生一人ひとりの個性を実践的に引き出します。アットホーム。だけど大学らしさも兼ね揃えている京都文教大学で、「出会えてよかった」を一緒に体感しませんか?