保育士の離職とやりがいを調査 ジェンダー、仕事観が影響?

保育士の離職とやりがいを調査 ジェンダー、仕事観が影響?

マイノリティの男性保育者

保育士や幼稚園教諭といった保育者の不足が全国的に問題となっている現在、保育者の離職の実態や対策についての研究が進んでいます。保育者になる人は昔から女性が多く、近年では男性も増えてきましたが、まだ保育者全体の中で男性の比率は1割未満です。離職した男性保育者にインタビューをしていくと、理由はさまざまながら、男性保育者ならではの事情も見えてきます。離職の理由として多いのは、同僚、上司、保護者など周囲の人との人間関係ですが、その中には周囲から求められる「男性的な役割」と自身とのギャップを感じるというケースが存在します。また、男性保育者が少数派であることから来るプレッシャーの問題もあります。

離職理由はさまざま

ほとんどの離職者は、当初は「辞めてしまった」というネガティブな感覚を抱きますが、後から振り返ったとき、離職というタイミングが、自分の価値観や考え方を変える1つのきっかけになっていたと気づく場合があります。つまり、「ポジティブな離職」も十分あり得るのです。
ある施設の保育士を辞めたとしても、再就職先がやはり保育関連になるというような、「転職」またはそれに近い形の離職もあります。また、自分の生活スタイルの中で仕事をどのように位置づけるかという「ワーク・ライフ・バランス」を見直す離職もあります。また離職は、求められる性別役割分担、「ジェンダー」の問題についても保育の現場が意識を変えるきっかけになります。

保育のおもしろさとは

「なぜ離職したか」について研究を進めていくと、「なぜ継続しているのか」の調査も重要であることがわかってきました。保育の仕事を長く続けている人は、そこに何らかの「おもしろさ」を見いだしており、熱量を持って取り組んでいることがわかっています。感じるおもしろさは多様ですが、何が熱量につながるのか、どのようにつながっているのかをひも解いていくことは、離職の問題を考える上でも大切です。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

盛岡大学 文学部 児童教育学科 准教授 藤田 清澄 先生

盛岡大学 文学部 児童教育学科 准教授 藤田 清澄 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

保育学、幼児教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

保育者をめざす人に限ったことではありませんが、さまざまなことに触れて、おもしろがってみてください。そして保育の世界に興味があるなら、子どもという存在に対して「おもしろい」「楽しい」と感じてほしいです。そのためには、その子たちが純粋に何を考えているのかをとらえることが大事です。大人からすれば一見意味がわからない、不思議な行動の裏にも、その子なりの理論や考え方があります。それを見つけていくことが、保育のおもしろさにつながっていくと思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

盛岡大学に関心を持ったあなたは

盛岡大学は、文学部・栄養科学部の2学部5学科からなる総合大学です。
文学部は、文学・語学・経済学・教育学をはじめ幅広い学習分野を網羅し、各学科の特色を活かした専門性の高い知識を身につけることができます。評価の高い教員養成は、地域の教育委員会と連携した独自の教育プログラムを通して高い実践力を育みます。
栄養科学部は、栄養の役割、身体のしくみ、栄養マネジメント、地域社会・環境と健康・栄養の関わりなど、人間栄養学を多面的に学び、地域に根ざした「管理栄養士」を育成します。