人をまるごと診る! 総合診療×漢方でスーパージェネラリストに

どんな患者・症状にも対応できる
医学の専門化が進み、それぞれの臓器や病気に特化した専門医のもとで高度な医療が受けられるようになりました。
一方で、「体の不調があるけれど、どの診療科へ行けばいいのかわからず、あちこちの病院に行っても診断がつかずに困る」という人が増えているため、医学全般の広く深い知識をもつ「総合診療医」のニーズが高まっています。
総合診療医は、患者の訴えや症状、メンタル、社会的な問題に至るまで、その人を丸ごと診て、診断・初期治療に当たるスーパージェネラリストです。どんな患者・症状にも対応できるため、在宅医療や救急医療の最前線でも活躍しています。
身体全体を元気にする漢方薬
漢方医学は、身体全体のバランスを整え、自然治癒力を高め、不調を治していく医学です。病気や臓器にとらわれず、その人の全体の体調を診るという考えが共通しているため、総合診療では漢方薬がよく使われます。原因がはっきりしない不調や心の問題を伴う症状、西洋医学の薬ではよくならない痛みなど、治療が難しいケースでも漢方薬は力を発揮します。
2000年の歴史をもつ漢方薬は、その効果が科学的にわかっていないものが多く、総合診療学ではさまざまな漢方薬の研究が行われています。
人にもウイルスにも効く
例えば麻黄湯(まおうとう)は、急に熱が上がり、寒気、せき、関節痛などの症状がある時に使う漢方薬で、ウイルス感染症にも効果があります。古くは1920年頃にスペイン風邪(インフルエンザの一種)が世界的に大流行した時、多くの人の命を救ったという記録が残っています。
漢方薬は「人の自然治癒力を引き出し、症状を抑える=人に対して効く」とされています。しかし最近の研究で麻黄湯は、インフルエンザウイルスが人に付着して体内で増殖することを防ぐ、つまり「ウイルスに対しても効く」ということがわかってきました。
RSウイルスやコロナウイルスに対する研究も進んでいます。新たなパンデミックに備えるためにも、麻黄湯の秘密の解明が期待されています。
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