アメリカ合衆国の「州」は、日本の都道府県と何が違う?

ほぼ「国」のような存在
アメリカ合衆国は、50の州と首都ワシントンD.C.から成る連邦共和国です。アメリカの州は、日本の都道府県のような国の法律に基づいて設けられた地方自治体とは異なり、独自の憲法・法律・議会・裁判所・警察を持つ統治主体です。日本では統治権限の行使は国を中心に組み立てられ、地方の権限も国法の範囲内で認められます。これに対しアメリカでは、人民に由来する統治権限の行使主体が、連邦政府と各州にそれぞれ委ねられています。外交・防衛・州際通商などは連邦政府が担い、連邦政府に委ねられていない権限は原則として州(または人民)に留保されます。そのため、連邦政府と州は単なる上下関係ではなく、連邦政府が州の権限を一方的に奪うことはできません。
植民地時代からの歴史
北米大陸の大西洋岸では、17世紀初頭以降、イギリス人によって13の植民地が形成され、それぞれ異なる社会や経済が発展しました。北部では宗教的共同体や商工業が発達した一方、南部では奴隷労働に支えられた大規模プランテーションで、たばこ・米・藍などが栽培されました。イギリス政府も当初は各植民地の自治をある程度認めていました。1775年に独立戦争が始まり、翌年、13植民地は独立を宣言しました。独立後は、合衆国憲法のもとで連邦政府と州が権限を分け合う連邦共和国の枠組みが整えられ、現在にも受け継がれています。しかし、州ごとの法律や権限の違いは深刻な対立を生み、南北戦争の背景の一つにもなりました。
分極化が進むアメリカ
現在のアメリカ合衆国では、連邦政治において共和党と民主党の勢力がほぼ拮抗している一方、多くの州では、どちらの党が優勢かが比較的明確に分かれています。近年、両党の支持者のあいだでは政治的な分極化が進み、また、相手側に対する感情的な反発も強まっています。こうした状況のもとで米国が国家として安定を保つには、党派対立が制度内の競争にとどまり、相手を政治的な敵ではなく正当な競争相手として認める関係を維持できるかが重要です。
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