公共工事の「見えない問題」をデータで解き明かす

競争原理が働く入札方式
道路や橋を造る公共工事は、国や自治体が入札を公告し、原則として最も低い価格を提示した事業者が受注する競争入札によって決まります。競争入札は、事業者間で競争が働くことで税金が効率的に使われ、優れた技術を持つ業者が成長できる仕組みと言えます。
しかしそこには2つの問題があります。極端な安値受注による工事品質の低下と、事業者間で受注者を事前に取り決める入札談合です。
工事品質をデータで調査
数年前に、ある自治体で水道工事をめぐる不正が発覚しました。きっかけは外部からの通報でした。通報を受け、発注機関が全数調査を行った結果、不正は最初に発覚した事業者にとどまらず、業界内で広く行われていた可能性があることがわかりました。発注側の検査体制には課題があり、業者の間に「不正をしてもわからないだろう」という意識が広がっていたと考えられます。地中の水道工事の場合、完成後に工事品質を確認しにくいという背景もありました。
調査データを基に、不適切な工事が品質に及ぼす影響の分析が進められています。今後、検査体制のあり方が工事の品質を左右することを示すことができれば、有効な検査体制を整備するための根拠となり、工事の品質を守ることにつながります。
データで不正を見抜く
入札談合も裏で取引されるため、表からは見えません。しかし、談合が行われると落札データには不自然なパターンが現れます。例えば、特定の事業者が参加したときだけ落札率が急落する、金額が不自然に切りよくそろうといった特徴です。こうしたパターンを統計的に分析することで、談合の兆候を把握しやすくなります。ただ、不正の対策は過去に発覚した手法に対して施すほかなく、いたちごっこになっているのが現状です。重要なのは、抑止力であり「不自然な行動はデータに表れる」という認識が業界に定着することをめざして、関係者の努力が続いています。
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