おからで育てた納豆菌で洗剤の原料を作る

環境にやさしい界面活性剤は?
水と油を混ぜ合わせることができる界面活性剤は、洗剤やシャンプー、化粧品など身の回りにある生活用品のほか、産業分野でも広く使用されています。日々の暮らしに欠かせない界面活性剤ですが、その多くは石油を原料に作られており、環境への負荷は小さくありません。
これに対して注目されているのが、微生物が作る界面活性剤「バイオサーファクタント」です。バイオサーファクタントは高い生分解性を持ち、環境への負荷が小さいだけでなく、少量で優れた乳化作用が得られ、皮膚への浸透性も良いといった長所があります。環境にやさしい次世代の界面活性剤としてすでに製品化されていますが、まだまだ高価で生産量も少なく、安価に大量生産できる製造法の研究が進められています。
栄養満点のおからで微生物を培養
微生物の培養には必要な栄養素を入れた液体培地などを使うのが一般的ですが、培地にかかるコストを抑えるために検討されているのが、「おから」の培地利用です。おからは豆腐の製造過程で生まれる副産物です。食用や飼料・肥料に利用されている一方で、産業廃棄物として捨てられる量も少なくなく、培地に使えれば資源の有効利用になります。
最初はおからに栄養素を添加していましたが、おからだけでも微生物を培養できることがわかりました。微生物が界面活性剤を作り出すのは細胞分裂のときです。分裂が繰り返されたあと、おからの表面に付着した界面活性剤を水に溶かし、フィルターで分離・回収します。
納豆菌で大量生産をめざす
実験室のレベルでは、おからの培地で微生物を培養して界面活性剤を作ることに成功しています。これからスケールアップしていくには、培地の量が増えると内部まで酸素が届きにくくなるといった課題があります。
また、現在おからで培養されているのは、納豆菌の仲間です。大量生産をめざし、より身近な市販の納豆菌で効率よく界面活性剤が得られないかが検討されています。
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