巨大電力パワーで簡単に水を浄化!

巨大電力パワーで簡単に水を浄化!

瞬間的に巨大電力を起こす

乾電池を使って発電所並みの電力を発生させられる装置、と言うと、まるで未来の道具のようですが、原理的には簡単な仕組みで実現が可能です。
普段私たちが使っている電化製品などは、小さな電力を時間をかけて使っています。その電力をコンデンサなどにためておいて、1万分の1秒から100万分の1秒といった非常に短い時間で一気に放出すると、巨大な電力が発生します。この瞬間的に発せられる巨大な電力を「パルス大電力」や「パルスパワー」と呼びます。

水中に「小さな雷」

現在、パルス大電力で水を浄化する研究が行われています。水を浄化するには薬剤処理による有害生物や有害物質の除去が一般的ですが、環境への影響は否定できません。これに対して、パルス大電力を使えば環境汚染の心配はなく、電極などの簡単な装置でできるのでコストも抑えられます。
パルス大電力による水の浄化は、いわば水中で小さな雷を発生させる技術です。パルス大電力により水中にマイクロメートルスケールの小さな泡を大量に発生させます。泡は小さいほど破裂したときのエネルギー密度が高く、秒速1500メートルほどに達する衝撃波が生まれ、有害生物を死滅させます。また、水分子からは高い反応性を持つOHラジカルが生成されます。有害物質は、それと化学反応を起こして分解されます。
こうした現象は瞬間的に起こるので、実験結果の測定も容易ではなく、特殊な高速度カメラを用いるなど計測システムの開発も同時に行われています。

スケールアップ、安全性を研究

現段階で実験室では実現可能なパルス大電力技術ですが、実用化にはスケールアップや高電圧の安全性が必要で、越えなければならない壁は少なくありません。しかし将来、実用化されれば、さまざまな分野への応用が期待できます。例えば、船のバランスを取るために積み込む海水「バラスト水」が排出先の海の生態系に与える影響は深刻ですが、パルス大電力で排出前に浄化することで、問題解決に貢献できるでしょう。

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先生情報 / 大学情報

新潟工科大学 工学部 工学科 電子情報学系 電力・エネルギー研究室 教授 今田 剛 先生

新潟工科大学 工学部 工学科 電子情報学系 電力・エネルギー研究室 教授 今田 剛 先生

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電気工学、環境負荷低減技術

先生が目指すSDGs

メッセージ

現代社会は電気がなければ成り立たず、電気を安定的につくり出す技術や電気の利用法の開発は、生活に直結するものです。電気は目に見えないので、なかなか興味を持ちにくいかもしれませんが、目に見えない電気をいかに計測するかというのは、研究の面白い面でもあります。パルスパワーも電気を実感できる研究であり、身近な存在である静電気も人間がコンデンサとしてためていた電気が一気に放出されるパルスパワーの一種です。想像力を働かせて、ぜひ見えない電気に関心を持ってほしいです。

先生への質問

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