自信が持てないのはなぜ? 心理学が解き明かす自分との付き合い方

自信を持つのが難しい現代
現代は、勉強、部活、友人関係などで選択肢が多い時代です。しかし、その分「自分はこれだ」というものを見つけにくくなっています。頑張っても手応えがなかったり、誰かと比べて落ち込んだりすると、「自分には何もない」「周りはすごいのに、自分は全然ダメだ」と感じ、自分の価値がわからなくなることがあります。こうした悩みの奥には、心理学でいう「自尊感情」や「自己概念」が関わっています。
自信がつくられる三層構造
自信が形成される仕組みは、三層構造で説明できます。一番下にあるのが「自己概念」で、勉強する自分、友人と話す自分、家族と過ごす自分など、自分をさまざまな面で捉えます。その一つ一つを「この自分は好き」「ここはあまり好きではない」と評価する感覚が「自己評価」です。そして、それらが積み重なって「自分はこのままでいい」と思える「自尊感情」が形づくられます。つまり自信は、一つの才能だけでなく、多面的な自分を知る中で育っていくものなのです。
多面的な視点を支える
ところが、自己概念の幅が狭くなり、「勉強ができる自分」「人から評価される自分」など一部の自分だけで自分全体を捉えるようになると、自己評価も厳しくなり、自尊感情が揺らぎやすくなります。すると、目に見える成果や数字だけに、自分の価値を求めがちになります。例えば、ダイエットで体重が減り、周囲から褒められたりすると、体重という数字が「自分には価値がある」と感じるための手がかりになってしまうことがあります。その結果、食事や体重へのこだわりが強まり、心や体、生活に影響する摂食症(摂食障害)につながることもあります。
臨床心理学では、このような心の背景にある揺らぎを丁寧に見つめ、「自分にはいろいろな面がある」ことに気づき、すぐに「このままの自分でいい」と思えなくても、自分を否定しすぎない見方を少しずつ増やしていけるように支えていきます。多面的に自分や他人を捉える視点は、心の病気の予防や回復にもつながる大切な力になるのです。
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