主体的じゃなくてOK? 自発の芽を育てる「成り行き地域学習」

能動性を育てる学びは受動的?
教育の現場では、子どもが自分から問題点を見つけて主体的・能動的に調べて解決する「アクティブ・ラーニング」が進められています。しかし、見方を変えるとそれは「能動的に取り組みなさい」という押しつけとも受け取れます。言われた生徒は受け身、つまり受動的に取り組んでいるという隔たりがあるのです。
では能動態でも受動態でもない態度はあるのでしょうか。それが「中動態(ちゅうどうたい)」という哲学の概念です。能動と受動との違いは、「取り組みたい」という本人の意思があるかないかですが、中動は意思の有無を問わず、今ある環境にとにかく身を置いてみるという考え方です。
地域の輪にとにかく入る
中動の概念を生かした「地域志向型プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)」という、課題の解決に取り組む実践学習を紹介しましょう。学生には参加の意思を問わず、とにかく指定された地域に行ってもらいます。最初は仕方なく参加する学生もいますが、地域の取り組みや行事を手伝いながら、さまざまな年代の人と関わるようになり、刺激を受けます。そうした経験の中で地域の切実な問題を肌で感じ、解決するためにアイデアや意見を出すようになりますが、実現を阻む現実の壁にぶち当たり、多くの人と合意形成を図ることの難しさも体験します。こうした過程で学生には問題を解決したいという強い思いが芽生えていくのです。
課題を「自分事」に
地域志向型PBLを実践すると、自然な流れで学生がいろいろな行動を起こしていくことが見て取れます。学生にはこの経験から、地域の問題を「他人事」ではなく「自分事」としてとらえる下地ができると考えられます。
これは例えば、子育て、高齢者対策など、行政だけでは解決できない多くの問題を抱える自治体の職員にも必要な資質です。多くの問題がある中で、NPOや企業を含め地域の人と対話しながら、「自分事」として解決策を模索し、より良いまちづくりをめざす姿勢が官民問わず求められています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報

日本福祉大学 総合政策学部 総合政策学科 ※2027年4月開設 教授 田中 優 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
地方自治論、自治体公共政策、PBL先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?
![選択:[SDGsアイコン目標4]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-4-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標11]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-11-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標17]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-17-active.png )


