福祉に関わる人の能力は? 相手にコミットする力を探る

優しいだけでは燃え尽きる?
福祉の仕事に携わる人は「優しい人」「いい人」と評価されることが多いです。しかし、相手が困っていること、求めていることに応える仕事は、相手に責任を持つ(コミットする)ことに価値を感じていないと続かないものであり、単に「優しさを生かして働いている」という認識だけでは、いつか燃え尽きてしまうことがあります。
このことから、福祉の仕事に関わる、あるいは関わりたいと考える人が、相手と関係を築き、つながり続けていくことをどう感じ、どの程度重要視しているかについて、調べる研究が行われています。
自信・やりがいを感じるのは
まず道徳性と仕事観がどのように結びついているかを調べるため、研究では、福祉の仕事をめざす学生に対して、道徳性に関するインタビューが実施されました。調査では、「相互依存によって生きることを肯定的に捉えるか」「自立して生きることが重要だと考えるか」「『優しさ』をどう定義しているか」を学生に尋ねました。その結果、優しさは弱さと認識し、優しいという評価は自分の自信につながっていない人が多いことがわかりました。
福祉の仕事では、高齢者や障害者など多様な個性や価値観を持った人と関係を築き、思いに応えていくことが求められます。それを単に優しさからの行動として片付けるのではなく、「相手にコミットする能力」として整理、言語化することで、自信ややりがいにつながると考え、研究が続けられています。実際に認知症の人を支える際、一瞬でも笑い合える経験をした人は高い幸福感を得られ、やりがいを感じるという報告があります。
人とつながり続ける「強さ」
福祉に携わる人には、「優しさ」だけではなく、人とつながり続けることができる「強さ」があると考えられますが、それを示す客観的根拠は、まだ多くはありません。根拠が明らかになり、福祉に携わる人たちの能力が言語化されれば、社会的評価もますます上がり、さらにプライドを持って働けるようになると考えられます。
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