難病の症状軽減から肥満の改善まで 期待の分子ペプチドとは

医学、農学、工学にも広がるペプチド研究
最近、サプリなどのCMでよく耳にするようになった「ペプチド」は、アミノ酸がつながってできた分子のことです。化学構造を変えた独自の機能を持つペプチドを作ることで、特定の病態に効果がある薬の開発や、謎に包まれていた身体の機能と新たな生命現象を明らかにしようとする研究が進められています。
薬学では薬を生み出す創薬の分野で特に注目されるペプチドですが、ほかの分野でも研究の対象として知られています。例えば農学ではヒト以外の生物や植物に含まれる成分の機能に関して、工学では化学製品などを視野にいれた機能性材料としての研究、医学では再生医療での活用が模索されるなど、その可能性は多岐にわたっています。
肥満にも効果あり
ペプチドにはさまざまな種類が存在します。例えば、「ニューロメジンU」という神経ペプチドがあります。ニューロメジンUは、特定の受容体に作用して、食欲抑制や体重減少につながる機能を持つことから、肥満に効く薬ができるのではないかと注目されています。また、血糖値の上昇を抑えるホルモンの分泌を促す「GLP-1」というペプチドもあります。糖尿病の薬に使われていましたが、肥満にも効果があるとして最近、医薬品の承認を受けました。
活用の場のいろいろ
ニューロメジンUの作用はほかにもあります。「プロラクチン」というホルモンが過剰に分泌される難病を患った患者は、生活に支障が出るほどの症状に悩まされることがあります。そこでマウスやラットを使った実験でニューロメジンUを投与したところ、プロラクチンの分泌を抑える効果が確認されたのです。プロラクチンを抑える薬はもともと存在しますが、副作用が出るリスクも抱えています。少しでもリスクを軽減した薬を実現するため、ニューロメジンUの活用が期待されています。このように、ペプチドはこれからもさまざまな分野で新しい活躍が見込まれています。
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京都薬科大学 薬学部 衛生化学分野 准教授 髙山 健太郎 先生
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