就職は会社で選ぶのは当たり前? 就活・働き方の研究

学生を終えたら会社員
人の生き方は本来多様ですが、都市部に住んでいると「学校を卒業したら会社で働く」という明確な道筋があるように感じられるのはなぜでしょうか。
要因の一つに「新卒一括採用」制度があります。雇用には、職務に応じたスキルや経験を持つ人を採用する「ジョブ型雇用」と、職務を限定せず会社の一員として採用してさまざまな仕事を経験させる「メンバーシップ型雇用」があります。日本では「就社」とも呼ばれるメンバーシップ型が一般的で、新卒一括採用との相性が良いのです。
「就活」ができたのは
こうした雇用の仕組みを知るには、成り立ちを調べることが重要です。戦後のある時期までの大学生の就職は、現在の高校生の就職によく似た制度、つまり企業が学校に求人票を出し、学業の成績で入社企業が決まる「学校推薦制」や「指定校制」が主流でした。しかし、高度経済成長末期に深刻な人手不足が生じ、企業は直接学生にアプローチするようになります。その中で学生と企業を媒介するサービスが登場し、企業が求人雑誌や就職情報サイトにお金を出して広告を出稿し、学生はそれを見て応募するという、「採用市場」が出来上がりました。これが今の「就活」につながっています。
働き方を統計調査
新卒一括採用が中心の日本には、正規雇用と非正規雇用という明確な雇用の違いがあります。非正規の経験は転職市場で評価されにくく、新卒採用からこぼれ落ちた人が正規雇用されることは簡単ではありません。その実態や解決方法を解明するため、新卒時の状況や転職回数、職務の変化など、人々の職歴を追跡する統計調査が行われています。
歴史的調査や統計分析など幅広い手法を用いて、働き方の「当たり前」を問い直すことも社会学の役割です。こうした研究は、労働のあり方や現代の人々の仕事観を考える上で、有効なアプローチにもなるのです。
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