インターネットでのアンケート結果は本当に信じられるか?

インターネットでのアンケート結果は本当に信じられるか?

いい加減な回答を検知するには

大勢の人を対象にしたアンケート調査がインターネット上で行われることが増えています。しかし、「いい加減な回答」が紛れ込む可能性が問題視されています。いわば「異常なデータ」を放置したままでは、正しい結果が得られません。「異常検知」は統計科学で研究されていますが、インターネットアンケートに特化したものはまだ少なく、調査と並行して異常検知の手法研究が行われています。

仕事のやりがいの正体を調査

事例の一つとして、「ミーニングフル・ワーク(仕事のやりがい)」の正体を探るための、アンケート手法の研究があります。社会人を対象に行うインターネットアンケートでは、職場での待遇の良しあしだけでなく、「仕事が自分の人生にいい影響を与えているか」といったより広い視点から、仕事中にどんなときにやりがいを感じるか、職場での人間関係はどうか、などの質問に答えてもらいます。

異常検知で信ぴょう性を高める

調査では、結果を分析する前に異常検知を試みました。例えば、「仕事にやりがいを感じるか」という質問に「とても感じる」と答えたにもかかわらず、「仕事に満足しているか」に「まったく感じない」と回答しているデータがありました。しかしやりがいを感じている人は、満足感も抱いている傾向が見られたため、複数の質問の回答を組み合わせて、全体の傾向から明らかに逸脱したものを除外することで、アンケートの信ぴょう性を高めました。
こうして見えてきた高いミーニングフル・ワークの条件は、「社会に貢献できているという実感」でした。会社として利益を上げていても、仕事内容が社会に貢献していないと感じる場合はミーニングフル・ワークの度合いが下がりました。また、欧米では「競争」がミーニングフル・ワークにつながっていましたが、日本では「協働」が重視されるという違いも見られました。調査を続ければ、働きやすい職場づくりなどに役立つデータが見つかるかもしれません。

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先生情報 / 大学情報

横浜国立大学 経営学部 経営学科 准教授 岩本 大輝 先生

横浜国立大学 経営学部 経営学科 准教授 岩本 大輝 先生

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経営学、統計科学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私の研究では、人材育成や働き方の改善など、目に見えにくい経営施策の価値を、データと統計科学の考え方を使って見える化しています。研究では、身近な出来事に対して「なぜそうなっているか」「どのデータがあれば確かめられるか」「そもそもデータは正しいのか」などの問いを持つことが大切です。もし経営に関心があれば、日常生活の中でお店やサービス、ニュースなどを意識的に観察しましょう。社会に関心を持ち、データという根拠をもとに考えようとする姿勢が、経営や統計科学を学ぶ上で大きな力になるはずです。

横浜国立大学に関心を持ったあなたは

横浜国立大学は、高い国際性と実践的な学問を尊重し、社会に開かれた大学をめざします。全学部の学生がひとつのキャンパスで学び、学部の垣根を越えた交流ができ、国立大学には数少ない経営学部も置かれています。新しい潮流を起こして21世紀の人類社会に貢献できるよう、社会からの要請を的確に把握し、国民から委ねられた資源を有効に活用しつつその活動を開放し、社会の期待に応えます。