脳と SNS の異変を探るグラフの波

脳と SNS の異変を探るグラフの波

グラフの波とは?

音声や映像は、さまざまな波に分解することができます。そのため、一般的に、音声や画像を分析する際には、一度、波に分解し、どのような波が含まれているかを調べます。例えば、女性の声には、比較的周波数の高い波が多く含まれるため、波に分解することで、その音声が女性か男性かのどちらかを当てることができます。
グラフのデータも、音声や画像のように波に分解する技術があります。グラフの波は、音声や画像の波と同様に、そのグラフの特徴を表しています。グラフの波を観測することで、今まではわからなかったことが明らかになるかもしれません。

脳の測定データから疾患の早期発見に役立てる

脳の状態を計測する装置として fMRI があります。fMRI を使うことで脳のさまざまな脳領域(前頭葉や側頭葉など)の働きを知ることができます。多くの脳領域が連携して複雑な脳活動を実現しており、それらの連携は、脳のグラフとして表現できます。脳のグラフを波に分解し、(空間)周波数の高い波と低い波を両方観測することによって、より高い精度で疾患の有無(アルツハイマーの有無)を検知できることを示しました。この研究が進めば、アルツハイマー病の進行を事前に把握したり、病気の進行を抑えたりする新たな治療法を確立したりすることに役立てられます。

SNS の異常は、うなりから始まる

SNS 上での人と人とのつながりはグラフ構造として表現できます。近年、選挙期間中などで SNS 上でやりとりが過熱し、異様な状態となることが社会の注目を集めています。最新のネットワーク科学の理論解析により、そのような過熱状態が始まる前には、SNS 上でうなり(低い周波数の波)が観測されることが予見されています。うなりの検出を通じて早期に対応する方法が検討されています。

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先生情報 / 大学情報

関西学院大学 工学部 情報工学課程 教授 作元 雄輔 先生

関西学院大学 工学部 情報工学課程 教授 作元 雄輔 先生

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情報ネットワーク、計算機システム

メッセージ

疑問があったとき、AIに聞けば教えてくれる時代になりました。しかしそれで満足するのではなく、回答の背後にある理由に目を向けて、深く思考する力を身につけてほしいです。もしネットワーク分析に興味があれば、高校時代に数学をきちんと勉強しておくとよいでしょう。行列など高校数学の内容も研究に使いますし、大学で数学を学ぶときも高校の授業内容が土台になるからです。暗記して終わるのではなく、なぜその定理が成り立つのか、と踏み込んで考える習慣を身につけておくと、研究に必ず生きます。

関西学院大学に関心を持ったあなたは

スクールモットーである"Mastery for Service"は、「奉仕のための練達」と訳され、関西学院の人間として目指すべき姿を示しています。1889年にアメリカ人宣教師W.R.ランバスによって創立された関西学院は、このスクールモットーを体現する、世界市民を育むことを使命とし、現在、関西学院の3つのキャンパスでは、約2万人の学生が個性あふれる14学部で学んでいます。2021年4月からKSC(神戸三田キャンパス)は文系の総合政策学部と理系の理、工、生命環境、建築学部の5学部体制となりました。