電気の力で空気中のちりやにおいをきれいに 環境技術の最前線

静電気でちりを集める
下敷きをこすって静電気が発生し、紙がくっついた経験はないでしょうか。この静電気の力を応用して、空気中のほこり・ちりを取り除く技術が「電気集塵(しゅうじん)装置」です。空気1リットルの中には、肉眼では見えない微細なちりが1万個以上漂っています。電気集塵装置はこれらを静電気で帯電させ、電極に引き寄せて捕集します。100年以上の歴史があり、地下駐車場や道路トンネルといった閉鎖空間のほか、火力発電所では4階建てのビルほどの大型装置が使われています。
フィルター式と比べると、目詰まりが起きにくく、掃除の手間も少なくて済むというメリットがありますが、電極に集まったちりの掃除は必要です。これを不要にするために、集めたちりを電極に密着させず、装置の外へうまく送り出す仕組みも研究されているようです。
香りの研究が明かした落とし穴
同じ静電気の技術を応用して、空気中の「においの分子」を取り除く研究も進められています。アルコールの一種であるバラの香りについての研究で、興味深い発見がありました。アルコールは放電によって酸化され、最終的にはお酢のようなにおいに変わる可能性が見えました。コロナ禍でアルコール消毒液が普及した時期に発生した、「空気清浄機にアルコール蒸気が入ると、かえってにおいが発生しやすい」という可能性を科学的に裏づけることとなりました。こうした科学的発見の積み重ねが、私たちの身の回りにある空気の問題を解き明かしていきます。
不要物をエネルギーに変える
環境を守る研究は、空気だけが対象ではありません。木材加工の副産物である「おがくず」の主成分は、炭素と水素からなるセルロースという物質です。小瓶に詰めたおがくずに、極めて低い電力のプラズマを照射すると、燃料として使える水素やメタンが発生することが実験で確認されました。これを連続的に取り出し続ける仕組みの実現を目標に、研究を進めているようです。不要とされるものを資源へと変える技術が、循環型社会の未来を切り開いていくのです。
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