超小型衛星を災害時に活用! 新たな姿勢制御装置の開発

超小型衛星を災害時に活用! 新たな姿勢制御装置の開発

人工衛星で被災情報を提供

災害が起こると、通信基地局が壊れて電話やインターネットが通じなくなることが考えられます。こうした事態に備える手段の一つが、さまざまな機能を持つ超小型衛星を宇宙に打ち上げておくことです。それにより衛星通信が可能になるほか、災害の起きた地域を宇宙から計測し、リアルタイムで地球に情報を届けることができるため、開発が進められています。

重要な姿勢制御

超小型衛星は、地球を約1時間半で一周します。かなりの速度で動くため、素早い姿勢制御が求められます。また、宇宙から地球を見るときは少しの誤差が大きなズレになるため、正確な位置調整も必要です。従来の姿勢制御装置は、主に2種類あります。例えば、国際宇宙ステーションなどに使われている姿勢制御装置「コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)」は、大型で物体を素早く動かすパワーはあるものの、細かな調整が苦手です。一方で小型の姿勢制御装置である「リアクションホイール」は、低速での姿勢変更や、細かなコントロールができます。ただ、災害時のリアルタイム観測で求められるような素早い姿勢変更には、リアクションホイールだけでは十分なトルク(回す力)が出せません。

ハイブリッドCMGの開発

そこで、従来のCMGとリアクションホイールの長所を取り入れた、新たなCMGが開発されています。大きく高速で旋回するときは従来のCMGの仕組みを、細かくゆっくりと姿勢を調整するときはリアクションホイールの仕組みを使うのです。この「ハイブリッドCMG」は従来のCMGよりも大幅に小型化されており、しかも省電力で動かせることがシミュレーションで確かめられました。
しかし、宇宙での稼働が成功するかはまだわかりません。宇宙には空気や重力がなく、しかも電子回路が放射線の影響を受けるなど、地球とは環境がまったく異なるからです。そのため無重力や放射線などの課題を一つ一つクリアしようと、コンピュータ上でのシミュレーションや試作機を使って実験がくり返されています。

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先生情報 / 大学情報

東京電機大学 理工学部 電子情報工学系 教授 田中 慶太 先生

東京電機大学 理工学部 電子情報工学系 教授 田中 慶太 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

宇宙工学、電気工学・電子工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

大学では答えのない問いも多く扱いますから、枠にとらわれず、想像力を豊かに育める環境に身を置いてほしいです。想像力を養うためには、勉強以外にもさまざまなことに関心を持って飛び込んでみることが大切です。私も新たな分野を目の前にして腰が引けたときがありましたが、勇気を持って踏み出した結果、宇宙工学という分野に出会えました。飛び込んでみると、楽しく取り組んでいる人々がいることに気づくと思います。「面白そうなことをやっているな」と思ったら、あなたもその仲間になってみましょう。

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東京電機大学は、1907年の創立以来、日本の産業界を支える技術者を数多く輩出してきた理工系総合大学です。以下の5学部2キャンパス体制で、建学の精神「実学尊重」、教育・研究理念「技術は人なり」のもと、実際の社会で活用できる技術と人格を携えた技術者の育成を大切にしています。
●システムデザイン工学部・未来科学部・工学部・工学部第二部(夜間部)〔東京千住キャンパス〕、●理工学部〔埼玉鳩山キャンパス〕