微生物の土中活動を音楽に変換! 進化する生成音楽

数字を音に変える
コンピュータと音響技術の進化によって、さまざまな数字の並びを音もしくは音楽に変換できる技術があります。例えば、土中の微生物の活動も音に変えられます。微生物は有機物を分解する時に二酸化炭素を排出するので、その排出量を計測すれば活性度が数値化でき、音を奏でられるのです。また微生物によって分解する有機物が異なるので、さまざまな有機物を順番に入れた時の分解反応を調べれば、そこに多様な微生物がいることが音でわかります。微生物の活性値を鳥や虫の声などに変換し、観客に聴かせる音響体験が、2025年の大阪万博では行われました。
リアルな音響を実現
人間だけで音響を完成させるのではなく、AIなどの技術やシステムを使って音をつくるジャンルを「生成音楽(ジェネレーティブ・ミュージック)」といいます。バーチャル・シンガーの初音ミクがいろいろな楽曲をステージ上で歌唱できるのも、生成音楽と映像を融合したメディア・アートによるものです。
臨場感を高める立体音響も目覚ましく進化しています。一例が、人間の耳や頭を通して伝わる音の特性を分析し、音の方向、距離、音量をコントロールしてリアルな音響を実現するバイノーラル技術です。あなたが使うイヤホンやヘッドホンにもバイノーラルが使われているかもしれません。
AIにできること、できないこと
いまや音響制作の多くの部分をAIがサポートしてくれます。プログラミング、ソースコードの組み立て、バグの修正まで任せられるので効率性が高まりました。しかし何に興味を持って、それをどう解釈し、どんなアイデアで音をつくっていくかは作者の感覚や美意識によります。天気や自分の散歩コースといった、変化する事象を「音にしてみたい」と思った時、その変化の度合いを「ドレミ」の音にするか、「ドミソ」の音で表現するかで、聴き手の感じ方は変わります。音響技術も大事ですが、作品の中心を成すのはやはり人の思いやアイデアなのです。
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先生情報 / 大学情報

尚美学園大学 芸術情報学部 芸術表現学科 准教授 漢那 拓也 先生
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