リアルなゲームキャラクターはどう作られている? 3D美術の世界

デジタルの粘土を操る
ゲームの中で動き回る3Dキャラクターは、どのように作られているのでしょうか。その制作には、「デジタルスカルプティング」という、デジタルの粘土をこねるように立体の形を作る技術が使われています。
かつての3DCGは、点を打ってマウスでつなぎ、面を作って立体を組み上げるという根気のいる作業が必要でした。そこに登場したのが「ZBrush(ズィーブラシ)」というソフトウエアです。ペンタブレットの筆圧により、画面上の粘土をへこませたり出っ張らせたりしながら、直感的に形が作れます。このソフトはゲームキャラクターの制作現場でも広く使われ、初心者でも絵を描く感覚で使えるのが大きな特徴です。
「動き出しそう」と思わせるには
ただし、ソフトを使いこなすだけではリアルなキャラクターは作れません。カギを握るのが「美術解剖学」、つまり人体の骨格や筋肉の構造に関する知識です。例えば、キャラクターが立って腕を組んでいるポーズを描くとします。多くの人は表情に力を入れがちですが、大切なのは体全体の正しいバランスです。組んでいる腕の筋肉、服で隠れているへその位置、靴の中のつま先の方向まで想像し、体の構造に沿って描かなければ、どれだけ顔が魅力的でも「本当に動きそう」という説得力は生まれません。
立体を正確にとらえて描くための練習として有効なのがデッサンです。鉛筆で描くアナログな方法に見えますが、デッサンで鍛えられる「物を見る力」が、3Dの世界でも根幹を支えます。
実際に動く造形物に?
デジタルスカルプティングで制作した3Dデータは、3Dプリンタで現実の立体物として出力できます。この技術を使い、フィギュアなどを作るだけではなく、3Dプリントした造形物の中にメカを組み込んで動かすという、アートとエンジニアリングの融合も期待されます。3Dの先端技術が、ゲームやエンターテインメントの枠を超えて、ものづくりの新しい形を切り開いています。
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