AIとセンサで行動の異変を察知 プライバシーと両立する方法は

医療、介護、教育現場でニーズ
医療や介護、教育の現場には、サービスの利用者、ないしは生徒の行動を分析し、普段と異なる行動を検知したいという職員のニーズがあります。例えばアクティブラーニングの授業では、グループに分かれて議論が進むため、教師が全員の様子を把握することは困難です。どのグループが活発に議論していたか、個々の学生がどんな行動をとっていたかを記録・分析できれば、授業設計の改善や、困っている生徒への早期サポートに役立ちます。
「行動の見える化」に有効なのが画像解析です。しかし教育や医療現場へのカメラ設置はプライバシーの問題から難しいケースが多いのが実情です。設置できた場合でも、死角ができたり、細かい動作まではとらえにくかったりといった限界もあります。
椅子の揺れで分析
そこで注目されているのが、AIや振動センサ、身体に装着するウェアラブルデバイスを組み合わせたアプローチです。例えば、ドアに取り付けた振動センサを使い、開け方のわずかな揺れの違いから、誰が開けたかを高精度で識別する技術が開発されています。椅子にセンサを設置すれば、揺れのパターンから、着座中の人が文字を書いているのか、パソコンを操作しているのか、じっとしているのかを高精度で判別できます。
カメラが1台使える環境であれば、さらに多くのことが可能になります。映像で人の動きを記録し、ウェアラブルデバイスのデータと深層学習で照合することで、顔を映さなくても個人の行動をより詳しく分析できます。
発達障害児の支援にも
現在、こうした研究が役立つ分野として実装が検討されているのが、発達障害のある子どもたちへの支援です。支援者は、子どもが会う時間以外の日常をどのように過ごしているかを把握しにくいため、家庭や支援教室へセンサを導入することで継続的な行動記録が可能になります。プライバシーへの配慮と行動把握を両立する技術が確立されれば、医療や介護の現場でも広く活用されることが期待されます。
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