講義No.16536 経済学

財布がなくなる日は来る? デジタル通貨で暮らす社会とは

財布がなくなる日は来る? デジタル通貨で暮らす社会とは

通貨がデジタルに置き換わる未来

私たちが日常的に使っている通貨「円」が、「デジタル通貨」にすべて置き換わったら、どのような社会になるでしょうか。現在もスマートフォンを使ったキャッシュレス決済は浸透していますが、それらは民間企業が発行する電子マネーです。一方、デジタル通貨とは日本銀行のような中央銀行が発行する新しいお金です。
すでに中国では「デジタル人民元」の実証実験が進み、カンボジアやバハマなどでは導入事例もあります。世界的に通貨のデジタル化が進む中、日本で導入された場合に、社会にどのような影響を与えるのかが研究されています。

便利さの裏にある課題は

デジタル通貨にはさまざまなメリットがあります。ATMで現金を引き出す必要がなくなり、紙幣の印刷や運搬にかかるコストも削減できます。また、取引記録が残るため、税金の徴収をより適切に行いやすくなるとも言われています。海外送金や両替の手数料が安くなることも期待されます。
その一方で、誰がいつ何を買ったのかという記録が残るため、プライバシーをどう守るかが課題です。また、大規模な停電や通信障害が起きた場合の対応や、高齢者や子どもなどデジタル機器を使うのが得意でない人への配慮も欠かせません。スマートフォンを持たない人のために専用カードを活用する案も検討されており、社会にいる全員が安心して利用できる仕組みが求められています。

データは誰がどう管理?

デジタル通貨の普及によって蓄積される取引データは、社会にとって大きな価値を持つ情報になります。しかし、価値が大きいからこそ、扱う人や組織が適切に管理する仕組みが必要です。もしデータを管理する立場の人が不正を行ったらどうなるでしょうか。そこで重要になるのが、「管理する人を誰が監督するのか」という視点です。デジタル通貨を社会の中で安全に機能させるには、便利な仕組みを作るだけでなく、データを適切に扱うためのルールづくりも欠かせないのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

九州産業大学 経済学部 経済学科 教授 下田 真也 先生

九州産業大学 経済学部 経済学科 教授 下田 真也 先生

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金融論、応用経済学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校時代は、できるだけ多くのことに挑戦してください。勉強も、苦手な科目だからと最初からあきらめてしまうのはもったいないです。今は興味がなくても、後になって面白さに気づくこともあります。実際に私は文学部で学び、一度就職した後に経済学に興味を持ち、大学院に進みました。将来どこで何に関心を持つようになるかは誰にもわかりません。だからこそ、さまざまなことに触れながら好奇心を育ててほしいと思います。勉強以外にも何か打ち込めるものを見つけられると、人生が豊かになります。

九州産業大学に関心を持ったあなたは

九州産業大学は、文系・理学系・工学系・芸術系の9学部21学科、大学院5研究科から構成される総合大学です。
本学が位置する福岡市は、グローバル化と情報化の下でアジアに広く開かれており、この地域社会に根づいた教育重視の大学をめざしています。
本学では、多様な課題に取り組む「実践力」とそれを持続可能とする「熱意」その基盤となる「豊かな人間性」を持つ人材育成を教職員が一体となり日々実践しています。