「楽しい」だけじゃない! 遊びをデザインする保育の専門性

遊びは子どもの学び
幼稚園や保育所、認定こども園で働く保育者の主な仕事は、子どもと遊ぶことです。しかしその「遊び」は、よく想像される遊び(例えば余暇活動としての遊び)とは少し異なります。
保育では「遊びを通した指導」が教育の基本となっており、子どもたちは遊びの中で試行錯誤を繰り返し、生活上のことや人との関わりを学んでいます。身近な大人のまねをしたり、自分たちで課題を見つけて解決したりする一連の活動も、保育では「遊び」です。こうした子どもの遊びを支え、成長へとつなげる保育者の重要性を明らかにすることが、「保育者の専門性に関する研究」です。
子どもに合わせて遊びを発展させる
保育者の専門性を具体例で見てみましょう。遠足で子どもたちがどんぐりや落ち葉を夢中で拾い始めたら、保育者も落ち葉やどんぐりをそっと持ち帰ります。そして園に戻ってから「落ち葉を握ると面白い音がするね」「どんぐりはどう転がるかな」などと子どもの関心をさらに引き出すような言葉かけをします。翌日には、前日までの遊びが発展するような素材を用意し、子どもの目につく場所に置いてみるなど、試行錯誤を重ねながら子どもたちと一緒に遊びをデザインしていくのです。教科書のない保育の世界では、その場で子どもに合わせて考え、子どもの成長を促す環境をつくるための多面的なスキルが求められます。
保育の価値が認知されるには
保育の仕事には高い専門性が求められますが、その価値は十分に社会に伝わっているとは言えません。価値観の多様化や人材不足によって保育の質にばらつきが生じ、子どもたちに安定して質の高い保育・教育を届けることが困難になっているという課題もあります。研究ではフィールドワークを通じて、保育者が子どもをどのように観察し、遊びや環境をどう構成しているのかについて事例を収集し、分析をしています。保育の専門性が社会に広く認知されることで、待遇の改善や担い手の増加につながり、結果としてすべての子どもに質の高い保育・教育を提供できる未来をめざしています。
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