企業経営は、「もうけ」だけでは語れない

「お金以外」の企業の価値
「企業の価値」と聞いて、まず思い浮かぶのは売上や利益などの「数字」でしょう。こうした数字は「財務情報」と呼ばれ、経営に欠かせないデータです。その一方で、近年は数字では表しにくい企業のビジョンや環境・社会への配慮、組織を健全に保つためのガバナンスなどの「非財務情報」も重視されています。利益に直結するものではありませんが、企業のイメージや評価を左右します。ブランドロゴの変更をきっかけに消費者からの見え方が変わり、売上が大きく伸びた企業もあります。
求められる「地球に優しい」企業経営
近年、気候変動などが世界的な課題となり、企業にも環境や社会に配慮した経営が求められるようになりました。消費者や投資家が企業を見る目も変わってきています。そこで重視されているのが、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字を取った「ESG」です。企業も「二酸化炭素の排出量を減らす」「環境負荷の少ない製品やサービスを増やす」といった目標や取り組みを積極的に発信しています。ESGへの姿勢も企業の評価材料となり、単に「もうかっている=価値の高い企業」とは見られなくなってきています。
「良い顔」をしている企業の実態
一方で、実態以上に環境へ配慮しているように見せる「グリーンウォッシュ」も問題になっています。そこで、グリーンウォッシュと企業の業績との関係に着目した研究がなされています。企業の開示情報に基づくESG評価とメディア報道に基づく評価とを比較し、前者が後者を上回る企業はグリーンウォッシュの疑いがあります。分析によると、そうした企業はROE(株主から集めた資本をどれだけ利益につなげたかを示す指標)が低く、借入金が多い傾向が見られました。財務面で好調とはいえないことがうかがえますが、現時点では因果関係は明らかになっていません。今後は複数年度のデータや企業規模なども考慮し、より詳しい検証が進められます。
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先生情報 / 大学情報

福島大学 政経学部(※2027年4月 学部再編。現:経済経営学類) 准教授 根建 晶寛 先生
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