勉強は何のため? 自由に生きる力を育てるリベラルアーツ教育

勉強は何のため? 自由に生きる力を育てるリベラルアーツ教育

どんな知識が一番大事か?

「勉強は何の役に立つのか」という疑問は、19世紀のイギリスにもありました。教養教育は就職に役立たないという声に対し、大学教育のあり方を問い直した一人が、ジョン・ヘンリー・ニューマンです。ニューマンは教育を、どれだけ知識を詰め込むかではなく、学んだ知識を活かしてどれだけ考え、活用しているかという「精神の働き」から捉えました。特定の仕事にだけ役立つ知識や技術を表面的に身につけても、状況が変われば使えなくなることがあります。大切なのは、知識と知識をつなげて、考える力や判断力を養うことだと考えたのです。

学びをつなぐのは「振り返り」

知識と知識とをつなげるための鍵は、学んだことを振り返り、気づきを得ることにあります。知識をただ吸収するだけでは不十分で、それについて考えをめぐらさなければなりません。例えば教科学習で学んだ食料や環境問題の知識から、普段の自分の食生活を見直してみたり、何らかのアクションを起こしたりする時、学びはつながり、広がっていきます。
リベラルアーツの教育は、言葉を注意深く読み、書き、聞き、話すことを重視します。「即レス」が求められる現代においても、立ち止まって、相手が何を言おうとしているのか、自分の言葉が相手にどう伝わるかを振り返り、想像力を向けることは大切です。

本当に自由に生きるための教育とは?

教養教育は、リベラルアーツ教育、または、リベラル・エデュケーションとも言われます。自由という言葉が含まれているのです。
かつて教養教育は、社会的エリートのためと考えられていました。しかし、今、自由を問い直し、より自由に成長していく教育として読み直す動きが始まっています。おそらく自由とは、個人が自分の欲しいものを手に入れるだけのものではないのでしょう。人間は常に他者や自然と共に、この地球に生きる存在だからです。さまざまな視点から、幅広いテーマについて読み、書き、考え、議論することを訓練する中で、徐々に自由に生きる力を育てていくことができるのです。

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先生情報 / 大学情報

聖心女子大学 現代教養学部 哲学科 講師 青木 由紀子 先生

聖心女子大学 現代教養学部 哲学科 講師 青木 由紀子 先生

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教育学、哲学、倫理学

メッセージ

自分の頭と心をつかって考える時間を、簡単に手放さないでほしいと思います。AIに聞けばすぐに答えが返ってくる今、もともと省エネを好む人間の脳は、便利さに頼りたくなるものです。しかし、どんな課題でも、「本当にそうかな」「これとこれはどうつながるのかな」と問いながら取り組むと、考えたことは積み重なり、あなた自身の問いが生まれてきます。やりたいことがまだわからなくても、焦らなくて大丈夫です。問い続けることを諦めずに進めば、その先に必ず見えてくるものがあります。

聖心女子大学に関心を持ったあなたは

聖心女子大学は「2年次進級時に希望の学科を選べる」カリキュラムが特長です。入学後に、英語文化・文学・哲学・歴史・人間と社会・国際交流・心理・教育などの学問分野から興味関心に合わせて幅広く学び、2年進級時に希望の学科専攻を選択します。各専門領域の特徴を理解した上で学科選択でき、明確な目的意識を持って2年次以降の学科・専攻に進むことができます。また、自由に意見を述べ、議論する機会が多く、他者の考えにも触れながら、多角的で柔軟な思考力を育みます。学生同士で学び合い、成長を実感できる大学です。