人の感情を揺さぶる音の構成は? 表現豊かな音楽理論を学ぶ

思考力や発想力を高める
人は音楽と関わって生きています。音楽を聴くとリラックスしたり、脳が活性化したりと、何らかの刺激を受けていることがわかっています。子どもや障害がある人への音楽療法や高齢者の認知症予防でも音楽は使われます。
人間形成や教育にも有効です。例えば、アメリカのマサチューセッツ大学では理工学系の学生がリベラルアーツの一環として音楽を学んでいます。音や楽譜の構造分析、合奏などを通じて、数学的・理論的思考力や発想力、感性を養っています。
美しい音程の数学的バランス
既にある音楽を活用するだけでなく、曲を作ろうとするには、楽曲を科学的に分析して体系化した音楽理論と、人が心地よいと感じる音楽構成を考える作曲理論を理解する必要があります。楽曲は、小さな音の連なりであるモチーフと、多様なハーモニーで構成されており、その構成によって人に与える印象が異なります。
例えば、美しい響きを生む音程の数学的なバランスとして、周波数率があります。比率を4:5:6(ドミソなど)にすると、明るく晴れやかなメジャーコードになり、10:12:15の比率(ラドミなど)は、悲しい響きのマイナーコードになります。表現したいイメージを念頭に、コード(和音)やリズム、モチーフなどを組み合わせて作り上げます。
楽器の特性を生かす
また、多くの楽器を用いるオーケストラの曲を作る際は、各楽器の特性をつかむことが大切です。トランペットなどの金管楽器は、動物のツノを吹く角笛を起源とし、遠くまで届く力強い音を奏でます。クラリネットなどの木管楽器は草笛が起源で、温かみのある豊かな音を出します。ちなみに弦楽器は、狩りで使う弓矢の弦を弾いたのが起源です。こうした楽器の音量や音色の特性を生かすと、より美しい曲になります。
近年はAIでも作曲できますが、人に感動を与えられるのは、やはり人間です。音楽の理論を広く深く理解することで、自由に表現力豊かに作曲できるようになります。
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尚美学園大学 芸術情報学部 芸術表現学科 教授 竹内 誠 先生
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