美しい「書き文字ふう」メールが送れるようになるかも
気持ちを伝えやすい「手書きふう」フォント
メールの「デジタルの文字(フォント)って味気ない」と感じたことはありませんか。お礼や謝罪の文面は、デジタルフォントより手書き文字の方が、気持ちを伝えられそうです。
そこでヒトの運動をヒントにした、手書き文字のようなフォントを生成する研究が進んでいます。ヒトが筆を使って書くときと同じように、書き始め、とめ、はねなどの位置を数値化し、文字を生成する「ダイナミックフォント法」を活用する技術です。このフォントは、これまでのフォントを作成する方法にくらべて直感的でわかりやすいだけでなく、勢いのある文字、丁寧に書いた文字など書体の変更が容易にできます。
オリジナルの手書きふうフォントも
書道家の字を見て、「こんな字を書けるようになりたい」と思ったことはありませんか。文字の修正が容易なダイナミックフォントを応用すれば、理想の書き文字と自分の字の特徴とをミックスしたような、オリジナルの手書きフォントを生成することが可能です。
また、ダイナミックフォントの方法を基礎として、ペンタブレットなどで手書きした文字をフォント化する研究も進んでいます。筆順の誤りがあっても正しい筆順の文字へと自動的に修正してくれたり、さらには書字中にペンが滑ってもその影響をとりのぞくことができ、障がいなどでペンを自由に動かせない人も、きれいな手書き文字を作成できるようになります。
通信コストやバッテリー消耗も抑制
スマホやタブレットに文字を書くとき、同じ文字であっても書くスピードが遅くなるにつれてデータの容量が大きくなります。ダイナミックフォントの方法とさらにコンプレスドセンシングと呼ばれる技術を組み合わせることで、フォントの容量をごく僅かな容量のものへと圧縮できるようになります。データ容量が小さければ、パケ詰まりを起こさず通信コストの削減やスマホやタブレットのバッテリー消耗を抑えることもできます。そんな手書き文字ふうフォントでコミュニケーションをする日も遠くないかもしれません。
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先生情報 / 大学情報
福岡工業大学 情報工学部 情報マネジメント学科 教授 藤岡 寛之 先生
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