パフォーマンス維持に不可欠! アスリートを内側から支える栄養管理

パフォーマンス維持に不可欠! アスリートを内側から支える栄養管理

栄養とパフォーマンスの関係性

現代スポーツにおいて、パフォーマンスと切っても切れない関係にあるのが栄養管理です。アスリートが持つ能力を最大限に発揮するためには、どんな栄養がどのくらい必要で、どういう摂取方法が適しているのでしょうか。そこを解き明かすことはアスリートのパフォーマンス向上に直結します。そして、競技ごと、目的ごと、あるいは個人の体質によってその方法も変わってきます。

食事で理想的な栄養バランスに

体重別競技の代表例とも言えるボクシングでは、2~3カ月で10kg程度減量しなければならないケースがあります。そのため、試合当日までにどれだけ良い栄養状態で臨むかは勝敗を分けるポイントです。
その栄養管理方法を解明する研究が少しずつ広がりを見せています。ただ、減量が付き物のプロボクシングでも、データの蓄積は乏しいのが現状です。まずはデータの収集をして、選手の日常生活や練習によって消費されるエネルギー量の分析から、「必要な栄養を必要なだけ補う食事」を逆算して提案していくのが公認スポーツ栄養士の仕事です。選手のパフォーマンス維持の裏には、栄養管理の精緻なサポートが隠されているのです。

栄養管理における課題

また、この研究を進める中で意外な事実も浮かび上がってきました。それは炭水化物の不足です。昨今は育成年代においても栄養補給は一般的となり、部活動に取り組んでいる人の中にはプロテインを飲んでいる人もいるでしょう。このように「スポーツに必要な栄養素=たんぱく質」という考え方は定着してきていて、実際に測定しても必要量を超えているデータが得られています。その一方で、エネルギーのもととなる炭水化物は必要量に満たない傾向にあることが調査から認められたのです。
この炭水化物の不足はスポーツ中のエネルギー不足に繋がります。炭水化物を含めた各種栄養の摂取や栄養状態の管理は、文字通りスポーツの原動力となるものであり、体が資本となるアスリートの体づくりに重要なものです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

茨城キリスト教大学 生活科学部 食物健康科学科 准教授 田井 勇毅 先生

茨城キリスト教大学生活科学部 食物健康科学科 准教授田井 勇毅 先生

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スポーツ栄養学

先生が目指すSDGs

メッセージ

栄養管理の研究では、丁寧に調査をして、その上で推奨される栄養状態にたどり着くためにどうするかという、「栄養アセスメント」が大切です。アスリート目線で言えば、SNSやインターネットなど、栄養について知ることができるいろいろなツールがありますが、私は専門家が正しい方法で評価することが大切だと考えています。栄養学は、もちろんプロアスリートに特化した研究もありますが、ダイエットや健康維持など、多くの人にフィードバックが可能な学問なのです。

先生への質問

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