もしも、痛くない検査で栄養やからだの状態がわかったら?

もしも、痛くない検査で栄養やからだの状態がわかったら?

栄養が足りないリスクとは?

「低栄養」とは、からだの細胞をつくり、からだの機能を維持するために必要なエネルギー(カロリー)やたんぱく質などの栄養素がしっかり取れていない状態のことです。日本に限らず、世界には低栄養で苦しむ人がたくさんいます。特に、高齢者は低栄養になりやすいといわれています。高齢者で低栄養の人は、栄養をしっかり取っている人よりも筋肉が落ちやすく、歩く力や飲み込む力が弱くなり、寝たきりになるリスクが高くなります。

血液検査よりも簡単なパッチテスト

からだの健康や栄養の状態を知る方法として、一般的に行われているのが血液検査です。しかし、病院や診療所などで、注射器で採血する必要があり、痛みや出血などのリスクも伴います。特に、近くに病院がない人、自宅で病気療養中の高齢者にとって、血液検査をすることは簡単ではありません。
そこで現在、開発が進んでいるのがスキンブロッテイング法というパッチテストを活用した新しい検査法です。注射針を刺さずに、静電気を帯びた特殊なパッチを皮膚の表面に貼って、細胞間質液に含まれるタンパク質を吸着し、それを解析することでからだの状態を調べる方法です。パッチで得たデータを解析する装置があれば、自宅で簡単にからだの健康や栄養の状態をモニタリングできるようになります。

自分の健康を自分で守る技術を

痛くないパッチテストで、セルフモニタリングできる技術が確立すれば、誰もが、どこにいても、自分の栄養状態を気軽に確認することができます。改善すべきところは改善することで、より長く、健康に人生を送ることができるようになるでしょう。また同時に、若者が減少して人手不足に悩む日本の医療分野においても役立つはずです。今は研究段階のため、完成にはまだ長い年月が必要ですが、この技術を日本から世界へ発信することで、人々の健康に貢献できるでしょう。

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先生情報 / 大学情報

石川県立看護大学 看護専門領域  准教授 長谷川 陽子 先生

石川県立看護大学 看護専門領域 准教授 長谷川 陽子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

臨床栄養学、看護理工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私は食べることや料理をすることが好きだったことがきっかけとなり、栄養学の道に進みました。学びを深める中で、栄養学は人々の病気を予防したり、高齢者が健康で自立した生活を続けることを支えたりと、人々の健康を守るために欠かせない学問であることを知りました。「食律生命」という言葉のとおり、食や栄養は人々の生命を支える基盤で、今後も重要な学問であり続けると思います。栄養が健康に与える影響や、その人の体の栄養の状態を調べる方法など、まだ多くの研究課題もあり、知れば知るほど奥深い学問です。

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