世界の視点でジェンダーを見る

世界の視点でジェンダーを見る

ジェンダーとは何か

「ジェンダー」とは、社会的な性別のことを指します。生まれ持った体の性別とは異なり、社会や文化の中で形成された「男らしさ」「女らしさ」といった概念や役割です。例えば、多くの高校では制服が男女で決められていますが、近年では選択制を導入する学校も増えています。また、「男子は理系・女子は文系」といった進路選択における固定観念も、ジェンダーが私たちの日常に影響を与えている一例です。
国際比較の視点から日本を見ると、経済・教育・健康・政治分野の男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」では先進国中で下位に位置し、特に企業管理職や政治家における女性の割合は低い傾向です。こうした各国の比較から、社会制度や文化的背景がどのように個人の選択肢や可能性に影響するかをより深く理解できます。

世界のジェンダー研究

世界のジェンダー研究では、さまざまな文化におけるジェンダー概念を比較検討します。社会で「当然」とされる事象を異なる視点から分析できるのが特徴です。各国の「女性性」や「男性性」の定義は異なり、社会制度や慣習への反映も多様です。フェミニズム理論、女性運動の歴史、LGBTQ+の権利、女性学・男性学など多様なテーマを扱います。言語間での概念の差異にも注目して、文化的背景も含め、より包括的な視点からジェンダーにアプローチします。

現代社会におけるジェンダーの新たな展望

現在、世界各地で性別やジェンダーに関する従来の概念が見直されています。「男性/女性」という二分法を超えて、多様な性のあり方を認識するという方向性が進展しています。公的文書における性別区分の多様化など制度的変化も見られます。これは個人の尊厳尊重に関わる根本的課題です。メディアでも多様な視点からジェンダー議論が展開されており、教育や政策にも影響しています。世界各国の社会運動や実践を研究することで、異なる文化背景における共通点や相違点を理解して、多様なアプローチを学ぶことができるのです。

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先生情報 / 大学情報

専修大学 国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科 准教授 トンプキンス レベッカ 先生

専修大学国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科 准教授トンプキンス レベッカ 先生

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地域研究 、ジェンダー論、女性学

先生が目指すSDGs

メッセージ

ジェンダーは「決まったもの」ではなく、社会によって作られたものだと考えられています。あなたが当たり前と思っていることを、ぜひ疑問に思ってみてください。パスポートの性別欄のような身近なことから考え始めるのも良いでしょう。社会の不平等に気づくと、時に「生きづらさ」を感じるかもしれませんが、それこそが変化の始まりです。多様な性のあり方を理解して、自分も他者も尊重できる社会を一緒に作りましょう。あなたの鋭い感性と観察力が、より公平で包摂的な未来を創り出す力になるのです。

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