AIの現状、そして未来は?

AIの現状、そして未来は?

AIと生成AIとの違い

ChatGPTの登場で、生成AIへの関心と期待が集まっています。
従来のAIは、与えられたデータを分析して予測や判別を行います。迷惑メールの判別や画像認識、商品の推薦などが代表例として挙げられます。これに対し、生成AIは、学習したデータから新たにコンテンツを創り出します。そのため、質問に対する応答や同意などあたかも対話しているかのような動作に見え、AIがより身近な存在になったというわけです。

生成AIの現状

しかし生成AIは、人間のような処理を実際に行っているわけではありません。基本的には過去の大量のデータから似たような単語を組み合わせて文章を生成しているだけです。したがって過去にない情報を返してくれることもないし、誰に対しても似たような動作をします。最近この課題を解決するため個人的な情報や考えなどの付加データを追加して学習させる個人特化型(業務特化型)のAIが構築されつつあり、将来こういった特定用途向けの多様なAI(エージェント)がネット上に数多く作られていくと予想されます。 

生成AIの未来と課題

例えば企業同士がコラボレーションするような場合、それぞれの学習済AIを連携させてシステムを融合し、全体としてより柔軟なシステムに発展させたいと考える人もこれから増えてくるでしょう。しかし、それらの異なる挙動をするAI同士の連携はとても困難であり、今後大きな課題として立ちはだかってくることが予想されます。
生成AIが行っていることは、「パターン認識」の延長であり、似たものを探して文章を作っているだけです。人間のように考えたり、計算したりているわけではありません。おそらくこのような高度な機能も今後実現されていくと思われますが、そのためには、現在のAIの上位に新たな連携の仕組みを構築していくことが必要で、人間とAIの相互協調も必要になってくると考えられます。AIと正しく関わる方法や手段を人間主体で見極めていくことが今後ますます重要になってくるでしょう。

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長野大学 共創情報科学部 ※2026年4月開設  教授 飯田 一朗 先生

長野大学 共創情報科学部 ※2026年4月開設 教授 飯田 一朗 先生

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情報システム

メッセージ

高校で文系・理系にコースが分かれ、それに沿った学部を選ぶことから、「自分は文系(理系)」と思い込む人が多いと思います。でも大学に入ってからは、イメージで敬遠せずにいろいろな学問の知識を身につけてほしいです。コンピュータがあれば、その垣根を超えることは難しいものではありません。コンピュータや情報は物理の知識がなくても扱えますし、案外文系の人に向いています。ただし、コンピュータ(AI)はすぐ答えを出してくれますが、信じすぎず適度な距離を保ちながら使っていってほしいです。

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長野大学は、1966年に地域の熱い期待を背負って誕生した「地域立」の大学です。本学は地域にある課題を発見し、地域とともに解決していく実践的な学びを大切にしています。地域には豊かな自然環境や歴史が宿る文化遺産、経済を牽引する産業や観光資源、安心して暮らせるまちづくりなど学びの要素があふれています。地域社会をフィールドに、主体的に考える力や、問題に対して多面的に取り組む力を養いながら漠然とした問題を明確化し、逆境に立ち向かっていける足腰の強い人材を育成します。