建築で地域の問題を解決、「空間づくり」が導くイノベーション!

地域の問題を解決する建築
「建築」というと、住居や施設といった建物を造るイメージがありますが、街全体の中で、その地域の問題を解決する「空間づくり」という役割もあります。高齢者を見守りたい、街に活気を取り戻したいなど、地域ごとの課題を発見して、それを建築で解決していくという考え方です。
特に最近では、地方の過疎化、高齢化などの問題があり、それらの解決をめざした取り組みが行われています。
問題解決につながる「仕掛け」
新潟県のある地域では、防火水槽を活用したコミュニケーションの場づくりが行われました。防火水槽とは、火災に備えて地下に水をためておく施設です。そこでは約200メートル間隔で設置されており、その多くは、タンクの上がコンクリートでふさがれた、駐車場1台分程度の空きスペースになっています。そこにベンチを設置することで、地域の人たちが顔を合わせる機会を増やすことができました。
また、無人駅を活用して、地域の魅力に気づくための仕掛けづくりもあります。待合室の窓枠を額縁に見立て、窓から見える風景を絵画のように鑑賞できる位置に椅子を置くように改造したのです。それにより、見過ごしていた魅力に気づくことができるようになりました。
イノベーションを起こすために
日本は人口減少などにより、今後、経済が停滞していくだろうと予測されています。それを打開するため、イノベーションを起こせる人材の育成や場づくりが求められています。それを建築の力で生み出そうという取り組みも進行中で、ビルの空き部屋を改装し、交流ができる空間づくりのプロジェクトが進められています。ユニークな点は、その企画段階から小学生も参加している点です。イノベーションを起こすには、さまざまな専門、背景を持った人たちの交流が不可欠です。子どもの頃からさまざまな人と出会い、アイデアを考える中で、課題を見つける力、新しい発想ができる力を身につけられれば、イノベーションを起こせる人材育成につながります。
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