「行政」は何をして、私たちの生活とどのようにかかわっているのか?

私たちの生活に身近な行政
私たちの生活に欠かすことのできない水道や電気、鉄道、学校、警察などの公共サービスの提供には行政が密接に関わっています。行政機関には国の中央省庁や地方自治体(都道府県や市町村)、独立行政法人(特定の目的のために国から独立して運営される組織)などがあり、それぞれが専門的な仕事をしています。
たとえば、JAXA(宇宙航空研究開発機構)も独立行政法人の一つです。宇宙ロケットの開発や打ち上げで有名ですが、それ以外にも新しい材料や航空分野の研究、宇宙科学・探査の活動など、宇宙に関する科学技術を発展させるための地道な研究もたくさん行っています。
予算の配分と計画の立案
JAXAが取り組む研究テーマは専門性が高く、私たちが内容を理解することは容易ではありません。ともすれば、すぐに成果が出やすいテーマやわかりやすい成果につながるテーマに予算が集中する一方で、時間のかかる研究やその重要性が伝わりにくい研究には予算が回りにくくなる恐れもあります。
宇宙以外にも教育や福祉、医療など、さまざまな政策分野に行政機関が携わっています。行政は予算や人的資源を戦略的に配分し活動を効果的に実施する必要があります。行政は政策目標を達成するための計画を立案し、予算が効率的に配分されているのか、その政策が本当に役に立つのか、どんな成果が出るのかについて検討します。
政策を評価することの重要性
民間企業は収益を出すことで成果を測りますが、行政機関は公共性の高い業務を担うため、それぞれの活動を正しく検証するには収益以外の多様な評価基準が必要です。たとえば、その政策が社会にどれだけ必要とされているか、組織体制や実施プロセスは適切か、予算が公平に分配されているか、期待通りの成果が得られたかなどを分析・検証しなければなりません。
こうした行政の活動や政策について研究する学問を行政学といいます。国民には時に専門的でわかりにくい活動や成果を把握し、それをより良い行政につなげていくことも、行政学の大切な役割です。
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