ーAI×デザインー 「遊び」が「学び」に変わるゲーム開発

多様化するゲームコンテンツ
ゲームは、ゲーム専用機だけでなく、スマートフォンやパソコンなど、私たちの身の回りのコンピュータ機器に、多種多様な形で普及しています。最近では大手ゲームメーカーが作る製品だけでなく、個人や小規模なグループによる「インディーゲーム」も台頭してきました。こうしたゲーム開発には、どんな考え方や学び方が必要になるのでしょうか。
ゲームタイトルは「サバキナ」
いくつかのグループに、「サバキナ」という意味のないゲームタイトルを基にワンクリックで操作できるリズムゲームを作りましょう、という課題を与えてみます。すると、あるグループは「サルがバナナを取りながらヤシの木を登っていって宇宙をめざす」というゲームを作り、別のグループは「宇宙船の機内で襲ってくるエイリアンから乗客を守るサバイバル」のゲームを作りました。提示された条件は同じでも、一つとして同じ内容のゲームは生まれてきません。
実社会でゲームを開発する際も、何らかの縛りが課せられる場合が少なくありません。それを逆手に取った柔軟で遊び心のある発想が、より面白いゲームを生み出す源泉となるのです。
ゲーム開発に求められる能力
ゲームを作るには、プログラミングやデザイン、音楽などのほか、英語をはじめとする外国語や言語学、プレイヤーの心理を分析する心理学、そのゲームで収益を得る工夫をするための経営学など、多岐にわたる分野の知識と能力が必要です。最近では、制作時の補助ツールや不具合の検証などに、AIを活用している事例も少なくありません。幅広い学問領域の力を結集して作られるゲームは、総合型の芸術であるとも言えるでしょう。
ゲームの開発における目標は、最終的に「人をいかにして誘導するか」という点に集約されていきます。そのためのノウハウは、ゲームだけでなく、社会の中のあらゆる場面で応用できるものでもあります。ゲームという「遊び」を作ることは、社会を支える能力を得られる「学び」にもつながっているのです。
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先生情報 / 大学情報

宝塚大学東京メディア芸術学部 メディア芸術学科 ゲーム分野 教授吉岡 章夫 先生
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