医工学で人を活かす

未来を見据える新しい医工学
明日を待ち遠しく思え、自分らしい生き方が尊重される毎日が、理想の人生でしょう。それを実現するため、新しい「医工学」は力強く歩みを進めます。これまでの医工連携は、医療現場が直面する目の前の患者さんを救うための技術の開発に取り組んできました。もちろんそれも大切な使命ですが、新しい医工学が描くのは、もう一歩先の未来――誰もが病気やケガに悩まされることなく、医療機関に頼らなくていい社会、自分の活き方を自由に選択できる世界の実現です。
「生きる」を「活きる」へ。
新しい医工学は、そんな未来をかたちにしていきます。
リアル空間とサイバー空間の「私」
未来の社会を手繰り寄せる一つの方法が、「デジタルツイン」です。現実世界のヒトやモノ、環境をサイバー空間上に再現し、リアル空間で起きる変化を事前にシミュレートすることで、将来の課題に備えることができます。例えば、自分と全く同じ生体データを持つ「私」を再現できれば、今の生活習慣が将来に及ぼす影響を予測することや体質に合った薬を探すといったことも、ローリスクかつ高精度に行えるようになるでしょう。医療分野への応用には課題がありますが、あなたの発想と挑戦が実現のための力になります。自分らしい活き方をより自由に選択できる時代は始まりつつあるのです。
新しい医工学を担う人材育成
こうした未来のテクノロジー開発にはAIの進歩は不可欠です。2030年ごろには人間の知能をはるかに超える能力を持つASI(人工超知能)の登場も予想されています。しかし、どんなにすごいASIでも、それを活かすのは人間の力です。こうしたテクノロジーの開発や運用を担う人材の育成は急務であり、医工学の分野も同様です。医学と工学を深く学び、「ヒトを知る医療者」と「工学を知る技術者」の両方の視点を持ち、未来の社会を俯瞰(ふかん)的に見てデザインできる医療アーキテクト(設計者)の育成が求められています。
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