ロボットの「さりげない動き」が未来を変える

ロボットの「さりげない動き」が未来を変える

言葉を使わずに伝える

コミュニケーションでは、言葉だけでなく、身ぶり手ぶり、表情、視線なども使って多くの情報を伝え合っています。この「非言語コミュニケーション」をロボットや家電製品に持たせる研究が進められています。機械が人に情報を伝える際に、動きがある方が人の記憶に残りやすいという研究結果も得られており、日常の中で役立つ可能性が広がっています。光るメガネでさりげなく情報を伝える、触角の動きで感情を示すなどの具体的な成果も生まれています。

ジェスチャーが人の心を開く

近年、生成AIは発展し、人間と会話する能力が大きく進化しています。しかし、生成AIはまだ「体」を持っていません。今後は、生成AIがロボットの体を通して、人にどのように情報を伝えるかが重要になります。体を持つことで可能となる非言語コミュニケーションの出番です。
人が遠隔で操作・会話をする遠隔操作ロボットの研究では、ロボットが人に話しかけるとき、表情や手の動き、色や光の変化なども合わせて気持ちを表すことで、より温かみのあるやりとりが生まれることが確かめられています。例えば、展示会で遠隔操作ロボットが子どもに小さく手を挙げただけで、警戒していた子どもが一気に心を開いた例もあり、さりげない動作の力が注目されています。

次の時代へ橋を架ける

ロボットはずいぶん器用になりましたが、人間相手にはうまくできないことがまだたくさんあります。例えば、人に物を手渡そうとすると、相手の手にぶつかってしまいます。互いに相手の動きが予測できないからです。将来、産まれたときからロボットと接する「ロボットネイティブ」な世代が出てくれば、こういった問題は解決することでしょう。それまでは、ロボットの側が「こう受け取ってほしい」という意図をさりげないしぐさで伝えるといった工夫が欠かせません。人とロボットが共生する未来の社会へ橋を架けるために、こうした研究が進められているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

神奈川工科大学 工学部 電気電子情報工学科 コミュニケーションロボティクス研究室 准教授 山崎 洋一 先生

神奈川工科大学 工学部 電気電子情報工学科 コミュニケーションロボティクス研究室 准教授 山崎 洋一 先生

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感性情報学、知能ロボティクス

先生が目指すSDGs

メッセージ

食わず嫌いせずに、いろいろなことを学んでほしいです。理系に進むなら数学や物理が重要なのはもちろんですが、それ以外のどの科目も無駄にはなりません。学べば学んだ分だけ、情報をすくい上げる網目が細かくなり、自分が理解できることが増えていきます。私自身、高校までの科目で得意だったのは家庭科、日本史、古文でした。また、自分が純粋に面白いとか不思議だと思うこととの出会いを大切にしてください。教科書の一節やテレビのニュースなど、一見小さなことが、進路を決めるきっかけになることもあるのです。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

神奈川工科大学に関心を持ったあなたは

神奈川工科大学は、「学生本位主義」を掲げ、みなさん一人ひとりの成長を何よりも大切にしています。ここでは、実践的な学びを通して、社会で本当に役立つ「力」と「自信」を育てる教育を行っています。
その結果、毎年90%以上の学生が、自分の進路や内定先に満足。多くの先輩たちが、4年間で大きく成長し、自分らしく社会で活躍しています。「将来に役立つ力をしっかり身につけたい」「自分に自信を持って社会に出たい」と考えているあなたにとって、神奈川工科大学はぴったりの環境です。