サイコロ1個が変える! 遊びで育つコミュニケーション力

小さなきっかけで順番を守れない子も変わる
「黒ひげ危機一発」という玩具があります。剣をたるに刺していくと、突然海賊が飛び出すゲームです。3~5歳の子どもたちにこれで遊んでもらうと、順番を守ることが難しく、思い思いに剣を刺してしまうことが多いです。ところが、色付きのサイコロを1個用意して、「出た色の剣を刺そう」というルールを加えるだけで、子どもたちの行動が変わります。サイコロを振るという行為が意識のきっかけとなり、「交互に渡し合う」コミュニケーションが自然と生まれるのです。
学校の休み時間を楽しく豊かにする
このように、遊びの中に小さな「仕組み」や「道具」が加わるだけで、子ども同士の関わり方が変わることがわかってきています。子どもの「順番を守りにくい」といった課題も、環境や大人からの働きかけを少し調整するだけで自然と改善される可能性があるのです。
こうした知見は、幼児教育はもちろん、学校教育でも役立ちます。学校は人と関わる力を育てる場所でもあります。特に休み時間は、子ども同士が自発的に関わり合う大切な時間です。そこで安全に、そして楽しく過ごせるようにするためには、モノや人など子どもを取り巻く環境全体を整えることが欠かせません。環境の工夫には、サイコロのように子どもの行動を動かす力があります。これらの知見を、休み時間や教室づくりに生かす研究が進められています。
違いを認め合う力を育てる
子どもたちは同じ遊びをしていても、何が楽しいか、どこに注目するかが一人ひとり異なります。この「見方の違い」を理解し合うことが、コミュニケーションの出発点です。学校や家庭でも、「世界の見え方は人によって違う」という気づきを育て、「自分の見方を言葉にする」「相手の世界を知ろうとする」姿勢を育てる働きかけが欠かせません。分断が生まれやすい社会だからこそ、互いを知り、考え、尊重する力がより重要になっています。コミュニケーションを通してお互いを知ることは「優しさ」に、考えることは「信じる力」につながるのです。
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名古屋学芸大学 ヒューマンケア学部 子どもケア学科 児童発達教育専攻 講師 中島 卓裕 先生
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