ウェルビーイングを実現する空間 職場の建築環境研究

ウェルビーイングに貢献する建築環境
建築は、建物の外観をデザインしたり、内部の設計を考えたりするだけではありません。人々のウェルビーイング(心身や社会的な側面が満たされた状態)を実現するためにはどのような空間をつくればいいかを考える、建築環境という分野も含んでいます。例えば職場で働く人が最大限のパフォーマンスを維持できるように、疲労をためない工夫をすることも建築環境の一環です。
看護師に休憩を促す
病院で働く看護師を対象に、疲労をためにくい職場づくりの実験が行われました。看護師の中には、一日中休憩をとらずに働き続ける人も多いです。この状況を改善しようと、「午前中5分、午後5分、必ず休憩を取ってください」と研究者が依頼しました。しかし決められた時間の休憩を取っても、看護師たちには休む習慣がなかったため、かえってストレスが増えてしまいました。
次の手段として、看護師が集まるスタッフステーション内にウォーターサーバーを設置し、1日1回は必ず給水してもらうことにしました。様子を観察した結果、看護師ではなく医師が真っ先に給水をし始めました。上司でもある医師が利用していると、看護師も休憩しやすくなります。気軽に短時間休憩を取れるようになった結果、看護師たちの退勤時の自律神経バランスが安定し、疲労が軽減しました。また、給水中に雑談をする医師と看護師も増え、スタッフ間のコミュニケーションが活性化するという副次的な効果も見られました。
休憩しやすい職場を広める
ウォーターサーバーは建物に手を加えなくても簡単に導入できます。しかし、勤務中に給水していると患者からクレームが入るのではないかと、当初は設置を反対されました。こうした状況を変えるためにはトップダウンで休憩の習慣づけができる環境を整えたり、休みの大切さを伝えたりすることが必要です。
建築環境の知見は休息の重要性や具体的な対策を経営者に伝える根拠の一つになるため、さまざまな職場を対象に研究が続いています。
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先生情報 / 大学情報

東京都市大学 建築都市デザイン学部 建築学科 准教授 須藤 美音 先生
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