子どもと家庭をチームで支援 スクールソーシャルワーカーとは

不登校の理由は学校の外にも
不登校の理由で多くの人が思い浮かべるのは、いじめや人間関係かもしれません。しかし、実は家庭生活上の困難が背景にある場合も少なくありません。保護者が体調を崩して家事ができず、朝の準備が整わないために登校できない子どももいます。この場合、悩みを聞くだけでは解決につながりません。家庭生活そのものを支える必要があります。
そこで重要な役割を果たすのが、家庭や地域とつながり、子どもと家族を支える「スクールソーシャルワーカー」です。スクールカウンセラーが心の悩みを聞くのに対して、スクールソーシャルワーカーは生活上の困りごとに対応し、様々な人たちと協働して支援する専門職です。
学校、家庭、地域間の連携と協働
スクールソーシャルワーカーは、子どもの問題を「個人の問題」ではなく、「環境との関係」で捉えます。家庭訪問を行い、保護者や地域の支援機関と連携しながら、生活を立て直す方法を考えます。医療機関との連携や経済的なサポートを通じて、家庭の負担を軽減し、子どもが安心して学校に通える状況を整えるのです。ただ、関係者にスクールソーシャルワーカーの役割が十分に理解されていない場合、意見の食い違いが生じることもあります。支援の状況や目的を関係者と丁寧に共有しながら、チームで子どもを支える体制をつくることが重要な役割です。
子どもが成長する権利を守る
専門職としての行動指針として作成されたのが「スクールソーシャルワーク実践スタンダード」です。13項目からなるこの指針には、いかなる子どもも差別せずに成長する権利を実現するために動くこと、支援の根拠を説明できること、子ども自身が自分の力に気づき発揮できるよう後押しすること、といった活動目的や考え方が記されています。行き詰まったときに立ち返るよりどころとして現場で広く活用されています。
近年は経済的に困窮する家庭や外国にルーツを持つ家庭、ヤングケアラーといった多様な課題を抱える子どもが増えており、この分野の重要性はますます高まっています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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先生情報 / 大学情報

関西学院大学 人間福祉学部 社会福祉学科 教授 馬場 幸子 先生
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