既存設備をつないで広がる未来の「移動」

既存設備を賢く使う
空港や病院で自動運転の電動車椅子が使われ始めています。現在は同じフロア内での移動に限られる場合が多いですが、階をまたいで移動できるようにする研究が進んでいます。例えば、1階にいる利用者が電動車椅子のタッチパネルで「3階の51番ゲート」を選ぶと、電動車椅子はエレベーターに向かいます。エレベーターはドアを開き、車椅子が乗り込むと自動で3階まで運びます。3階で降りた電動車椅子は51番ゲートに進むのです。鍵となるのは、電動車椅子、エレベーター、監視カメラなどを通信ネットワークでつなぐことです。
電動車椅子の機能で実現するなら、物理的にエレベーターを操作する装置を車椅子に追加する必要があります。しかし、この通信ネットワークを使ってシステムを連携させる方法なら、新たな装置が不要で、導入コストを大幅に下げられます。最小構成での原理確認は済んでおり、実用化をめざして複数台での検証が行われようとしています。
0.15秒で停止
この方法での安全性の向上も目標です。廊下の十字路では、電動車椅子のセンサでは見えない方向から人が来て衝突する危険性があります。そこで活躍するのが、建物内の要所に設置されている監視カメラです。その映像をAIで分析し、危険を検知してから0.15秒以下で電動車椅子を停止させることが目標です。達成に向け、高速な画像処理と通信、情報の優先順位付けといった研究が進められています。
未来に広がる可能性
ホテルでは、自動配達ロボットがルームサービスの品物を部屋まで届けるサービスがすでに始まっています。エレベーターと連携して自動で各階を移動し、部屋に着くと内線電話で知らせるのです。将来的には照明や空調など、建物内のさまざまなシステムとの連携も考えられています。
これらはソフトウエアで実現する技術なので、アップデートも柔軟です。人手不足が深刻化する中、既存のインフラを賢く活用するこの研究は、私たちの暮らしをより便利で安全なものにしてくれるでしょう。
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