心豊かに未来を暮らすには? 戦前の生活からヒントを得る

心豊かに未来を暮らすには? 戦前の生活からヒントを得る

心豊かに暮らす未来のために

環境問題などの悪化により、将来は現在と比べて自由にエネルギーや資源を使えなくなると予測されています。そんな制約のある未来でも心豊かに暮らしていくために、未来の環境制約を前提にして現在を見つめ直し、解決策を見いだす思考法を「バックキャスト思考」といいます。さらに、解決策を見いだす研究の一環として、90歳前後の人たちに戦前の暮らし方を聞く「90歳ヒアリング」が行われました。

戦前の暮らし方からヒントを得る

戦前の暮らしは現代よりも利用可能な資源が限られていたため、未来のライフスタイルを考える上でも参考になります。600人以上に90歳ヒアリングが行われた結果、「ないなりに楽しむ」という思考法が人々に根付いていたことがわかりました。例えば、春になると桜がなくても田んぼに咲いたレンゲの花を丘の上から見下ろし、花見をしていた鹿児島県のおじいさんがいました。そのレンゲはもともと田んぼの肥料にするために植えられたもので、観賞用ではありません。しかし「桜がない」と諦めるのではなく、何気ない景色の中に新たな価値を見いだせば、花見という豊かな文化を続けられるのです。

ライフスタイルを浸透させるには

90歳ヒアリングから得たヒントはSNSなどで一般向けにも発信されています。このとき「ライフスタイルに名称を与える」という工夫が施されました。短い言葉で内容を伝え、暮らしに浸透させていくためです。例えば桜以外の花でお花見を楽しむライフスタイルは「心花見」と名付けられました。
また、このライフスタイルを「模様」で表現する試みも始まっています。日本には習慣にひも付いた伝統的な模様がたくさんあり、着物の帯や包装紙といった身近な場面で使われてきました。その模様は日本のみならず、海外でも高く評価されています。戦前のライフスタイルにも模様を与えて使ってもらえば、世界中の人々の目に入りやすくなり、そこにひも付く価値観を普及させられるかもしれません。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

東京都市大学 環境学部 環境経営システム学科 教授 古川 柳蔵 先生

東京都市大学 環境学部 環境経営システム学科 教授 古川 柳蔵 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

環境政策学、環境配慮型社会

先生が目指すSDGs

メッセージ

環境制約を踏まえると、今の生活をこのまま持続できないため、未来に向けて変えていかなければならないと思って研究に取り組んでおり、物事をすべて一度疑い、見つめ直すことを心がけてきました。あなたも誰かが言ったことを全て真に受けるのではなく、自分で考えてみる習慣をぜひ大学で身に付けてください。また、90歳ヒアリングでは「昔もよかったけど今もいいところがある」と高齢者の皆さんの前向きな考えに驚かされました。物事を否定するだけでは何も実現しません。魅力にも目を向けながら世の中を変えていく人になってください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

東京都市大学に関心を持ったあなたは

2029年に100周年を迎える東京都市大学は2009年に武蔵工業大学から校名を変更。武蔵工業大学時代の伝統を引き継ぎつつ、自動車、エネルギー、建築、情報といった理工学分野に加え、環境、IoT、メディア、教育など数多くの専門分野を網羅する総合大学として成長を重ねています。今後も東急グループの一員としての強みを生かし、産学連携や地域社会との共同研究を積極的に進めつつ、未来の都市生活を創造し、そのなかで能力を発揮できる専門性と実践力を養成する「都市の総合大学」として、たゆまぬ発展を続けていきます。