建物の持続性を「材料」でスマートに解決!

社会を支える建築材料
私たちの身の回りには、道路、橋、建物など、数えきれないほどの構造物があります。それらを形づくっているのが建築材料です。例えばコンクリートは、水を除けば人類が最も大量に使ってきた材料だといわれており、先進国になるまでには膨大な量のコンクリートが国内に蓄積されることになります。しかし、コンクリートは製造時に多くのエネルギーを必要とすることから、環境への影響も小さくありません。だからこそ、建築材料学では「丈夫につくる」だけでなく、「どう使い続けるか」「環境負荷をどう減らすか」という視点が重要です。
古い建物を使い続ける時代の課題
現在は、「新しい建物を次々と建てる」から、「既存の建物を長く使い続ける」への過渡期だといえます。建物を使い続けるには、ひび割れや劣化への補修が欠かせません。ここで注目されているのが、補修を「直す」にとどめず、環境課題の解決にもつなげるという発想です。
コンクリートは空気中のCO₂を少しずつ取り込み、成分が反応して内部に固定される性質があります。この反応自体は自然に進みますが、速度はゆっくりで、建物全体のCO₂吸収量としては微々たるものです。そこで、コンクリート表面に特殊な補修材を塗ることで、耐久性を維持しながら、CO₂をより取り込みやすい状態をつくる技術が研究されています。補修という避けられない作業を、CO₂固定のチャンスに変える考え方です。都市には膨大な量のコンクリートが蓄積されているため、補修のたびに吸収を促進できれば、大きなインパクトになります。
これからの建築材料に求められるもの
今後の建築材料には、これまで以上に多様な役割が求められます。例えば、廃棄物を利用したり、リサイクル性を備えた材料などが注目されています。古い建物を使い続けなければならないという現実の中で、材料を工夫することで課題を乗り越えていく工夫が求められているのです。
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