ICTが看護師の強い味方になる? テレナーシングの可能性

未知の可能性、テレナーシング
患者の状態を観察して、励ましの声掛けや、適切な処置をするのが看護師です。情報通信技術(ICT)を使った医療機器が発達し、地球の反対側からでも、インターネットなどを通じて手術ロボットを動かすことができる時代ですが、看護はベッドサイドで患者に寄り添うことが基本の仕事です。ただし、ICTをベッドサイドの看護師の仕事に生かす可能性は大きいです。まだまだ開発途上の分野ですが、例えば在宅で療養している患者の様子を遠隔で観察するなどの研究も進んでいます。このようにICTを使った看護を「テレナーシング」と言います。
数学で計算した予測を看護に
例えば看護師が患者の痛みを観察するとき、看護師は痛みのどの変化を気にするのでしょうか? 変数を設定して微分方程式または差分方程式モデルを作ると、患者が今後どうなるか予測できます。そのモデルで看護師の臨床判断や看護学生の教育をサポートできる可能性があります。
また、心拍数や血圧を常時測れるウェアラブルデバイスも、看護を助ける技術となり得ます。指輪型やイヤリング型など、スマートウォッチより患者に負担の低いウェアラブルデバイスの研究もあります。そのように取得したデータが、看護計画を立てるときに役立つと考えられています。
健康状態を見る新たな尺度に?
ウェアラブルデバイスは、心電図や通常の血圧計よりも精度が低いという弱点があります。しかし、動いていても常時計測できるというメリットがあり、継続性という観点から見ると、従来とは異なる尺度で健康状態を見られる可能性があります。
例えば、心拍や血圧の揺らぎです。心臓は一定のペースで動いているわけではなく、体の状態で脈拍や血圧が変わります。「リアプノフ指数」という概念を使ってその揺らぎを数値化すると、若い人のほうが揺らぎが大きい傾向があることがわかっています。これを調べることで、その人の「若さ」や健康度を測れるかもしれないと考えられており、ウェアラブルデバイスの新しい使い方として期待されています。
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