キャッシュレス普及の本当の鍵は? 技術と社会の関係を探る

人口減少社会での必要性
近年、官民両方でキャッシュレス化が推進されています。その背景には、日本の人口減少があります。少ない人数で社会のインフラやサービスを維持していくためには、省力化を進めることが不可欠なのです。現金は製造・運搬・管理に多くのコストと人手がかかります。レジの精算も、現金では数える時間がかかりますが、キャッシュレスなら一瞬で済み、お釣りの準備も不要です。さらに、決済データを活用することで社会の動きを把握しやすくなり、より効率的なサービスの設計にもつながります。キャッシュレス決済は単なる便利な技術ではなく、社会の仕組みそのものに関わる重要なテーマなのです。
利用率を高めるには?
キャッシュレス決済を導入しても、使われなければ意味がありません。そこで、利用率の低い地域の高校生と大学生を対象に、利用意向に関する調査が行われました。その結果、「使いすぎが怖い」「仕組みがわからない」といった理由から利用をためらう人が一定数いることが確認されました。この結果は、お金に関する知識や判断力である「金融リテラシー」が利用意向に影響していることを示唆しています。この年代の金融リテラシーの高低の要因としては、学校での金融教育の充実度の違いが考えられます。そこで、金融教育の実施内容と金融リテラシーの関係を調査することが計画されています。
技術の成否を決める人と社会
キャッシュレス決済に限らず、技術の効果は、それを使う人や社会のあり方によって大きく変わります。同じ技術でも、地域や組織の文化や価値観、利用経験の違いによって普及や活用の度合いは異なるのです。例えば、現金を重視する意識が強い地域では、同じ金融教育を実施してもキャッシュレス決済に対する懸念が拭われにくく、普及が遅れる可能性があり、状況に応じた導入方法や教育方法の工夫が欠かません。そのため、新しい技術と人間社会の関係を多面的にとらえて、よりよい形で活用する方法を探る研究が続けられています。
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