講義No.15670 建築学 環境学 理工系その他 住居学 社会学

人口減少時代のまちづくり 郊外住宅地の再生・マネジメント

人口減少時代のまちづくり 郊外住宅地の再生・マネジメント

人口増加時代に造られた住宅

1960~70年代の高度成長期の日本では、人口が急激に増加しており、早急に住宅を増やす必要がありました。その頃に主流だった「夫婦と子ども」という世帯に合わせた住宅が、郊外に集中的に建設されました。現在、そうした住宅地では高齢夫婦だけの世帯が増えています。また、日本全体の人口減少で空き家が埋まらず、街の人口が減り、バス路線の縮小、スーパーの撤退、学校の統廃合などが起こっています。不便になった結果、ますます住民が増えづらいという悪循環を招いています。そういう事例が日本全国にあり、郊外住宅地の再生・マネジメントは大きな課題となっています。

人口減少時代のまちづくり

こうした街を持続的に維持再生していくためにはどのようなまちづくりが必要でしょうか。カギの一つは、「街の多機能化」です。高度成長期の都市計画では、住宅地、娯楽地域、働く場所が明確に分けられており、その間を交通で結ぶという発想でした。しかし今では人々のライフスタイルもさまざまで、また交通機関も不便になってきたため、住宅地の中に人が集まる場、働く場などを増やすことが大事なのです。例えば、高齢者の見守りもできる買い物の場所として、新しい形のコンビニを誘致した事例があります。
また、古いとはいえ、計画的に造られた郊外住宅地は重要な資源です。環境にも配慮するには、すでにある空間資源(例えば空き家)を有効活用することも大切です。スーパーの空き店舗をコミュニティスペースにリノベーションした事例があります。

地域住民の力を生かす

こうした郊外住宅地の再生・マネジメントには、地域住民の力が欠かせません。地域住民を中心に、大学などのまちづくり・都市計画の専門家、行政、事業者などが連携することが必要です。
ただ、コミュニティのリーダーが高齢化している地域や、共働き世帯が増えてまちづくりに関われる人材が減っている地域もあることから、若い世代をどう巻き込んだらいいかという点も研究が行われています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東京都市大学 環境学部 環境創生学科 准教授 後藤 智香子 先生

東京都市大学 環境学部 環境創生学科 准教授 後藤 智香子 先生

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都市計画、建築計画、住生活

先生が目指すSDGs

メッセージ

今、どのような分野でも環境配慮が求められる時代です。本学の環境学部は、「環境」をいろいろな視点で学べるのが特徴です。自然と人間の共生を学ぶためには、生態系や農業という視点、都市計画やまちづくりという視点も必要です。さまざまな専門性を持った教員から、幅広く学んでほしいです。また、大学に入ってたくさんの知識を学ぶと、興味が変わることもあります。生態系に関心があった学生が、都市計画を自分の進路にしたいと考えるようになった例もあり、将来の可能性を広げる場でもあるのです。

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2029年に100周年を迎える東京都市大学は2009年に武蔵工業大学から校名を変更。武蔵工業大学時代の伝統を引き継ぎつつ、自動車、エネルギー、建築、情報といった理工学分野に加え、環境、IoT、メディア、教育など数多くの専門分野を網羅する総合大学として成長を重ねています。今後も東急グループの一員としての強みを生かし、産学連携や地域社会との共同研究を積極的に進めつつ、未来の都市生活を創造し、そのなかで能力を発揮できる専門性と実践力を養成する「都市の総合大学」として、たゆまぬ発展を続けていきます。